※ ネタバレ注意! 詳しくはタイトルをお読み下さい。
今回でオジャロス日誌は最後になりますので、総括としてオジャロスと魔瘴の関係について書いていこうと思います。
【 魔瘴がオジャロスに与えた影響 】
僕は、オジャロスはもともと好々爺としての仮面と、残酷な本性という二面性を持っていたと思います。それが自ら魔瘴と接触したことにより物語の途中から極端に残虐さが強調されたのでしょう。
順を追って説明します。
主人公が初めてオジャロスに会ったのはゼクレス魔導国のオジャロス領内にある魔瘴塚の前でした。
そして、オジャロスの部屋の本棚には 『 各地の魔瘴塚に関する調査書 』 が冊子に まとめられていました。
その内容は以下のようなものです。
「 強い魔瘴が 噴き出す場所は 多くの場合
特殊な形状に地形が 隆起しており
これを 魔瘴塚と 呼ぶ。
魔瘴塚からは 強い魔瘴が噴出し
周辺一帯の生命は すべて 魔瘴によって
死に絶えると いわれている。
また 巨大化した魔瘴塚からは
魔瘴魂と呼ばれる 正体不明の生物が
出現することが あるという。
総じて 魔界の生物は 魔瘴を宿しているが
魔瘴魂は 魔瘴そのものから 生まれるらしく
魔族や魔物とは 根本的に異なる存在と言えよう 」
そしてオジャロスはアスバルに追い詰められると、大量の魔瘴を吸収し 『 魔瘴魂オジャロス 』 に変貌しました。
・ オジャロスの領地内に魔瘴塚があった。
・ オジャロスは各地の魔瘴塚について調査した書物を有し、魔瘴魂についての知識を持っていた。
・ オジャロスは 『 魔瘴魂オジャロス 』 に変貌した。
これらは全て偶然でしょうか?
いいえ、違います
おそらく、オジャロスは自ら魔瘴を取り込んで強大な力を得ようと画策したのでしょう。
その根拠が
【まとめ】
3、 顔も頭も良くない自分に家族はみんな失望して、優しくしてくれる人は誰もいなかった。
8、 努力の末に魔法が使えるようになったが、父親も母親もそのことを認めてくれず愛してもくれなかった。
に見られる強い劣等感と、周囲から愛されたいという渇望です。
魔瘴によって強大な力を得られれば劣等感を克服し、皆に尊敬されるようになる。そう考えたのだと思います。
オジャロスが実際に魔瘴と接触したのは、Ver.5.1「 魔界大戦 」とVer.5.2「 王の戴冠 」の間でしょう。
「 王の戴冠 」のストーリーの途中から、オジャロスはそれまで持っていなかった奇妙な杖を常に持ち歩くようになります。
オジャロスが 『 魔瘴魂オジャロス 』 に変貌する時にこの杖をかざして魔瘴を集めていたので、おそらくこの杖に魔瘴を操る魔力があるのだと思います。
魔瘴と接触したオジャロスは、
7、 自分の心を 「 暗くて冷たい地下室のよう 」 と思っていた。
12、 自分をベーチと呼びコケにし続けた姉を憎んでいた。
という心の闇と憎しみを増幅され、
11、 その大好きな人形を針で刺してやりたい、とずっと思っていた。
という嗜虐性が加速されたのでしょう。
その結果が、
「 エルガドーラの肉体を下等な魔物に再構成し、意思を支配し、水槽に入れて飾る 」
という所業だったのです。
アスバルに追い詰められ 「 魔瘴魂オジャロス 」 となるも主人公たちによって倒されたオジャロスは、エルガドーラの肉体を爆弾に変えてゼクレス王国を吹き飛ばそうとします。
これは
13、 父も母も姉もみんな大嫌いだった。
14、 父も母も姉もみんな死んでしまえと思っていた。(殺したいとは思っていなかった)
という憎悪が増幅したことにより、
「 みんなみんな滅びてしまえばいい 」
「 エルガドーラが愛したゼクレスを滅ぼすことで、姉に絶望を与えたい 」
という感情に至ったのだと思います。
【 オジャロスの人物評 】
オジャロスも姉エルガドーラ同様に複雑な事情を抱えた人物でした。
幼いころから劣等感に苛まれ、家族からは愛されず、努力しても認めてもらえない。
自分を虐める姉を恐れながら同時に一緒にいて欲しいと願い、姉を模した人形を常に持ち歩く一方その大切な人形を針で刺す。
ただし、それは誰もが持っている心の闇と、ヒトとしての二面性であり、オジャロスが特別極悪人だったとは思えません。
「 王の戴冠 」で見せた悪人としての顔は魔瘴魂によって極端に歪められた負の側面で、「 魔界大戦 」でアスバルを庇った彼は間違いなく優しい叔父だったと思うのです。
以上で、日誌 「 オジャロスについて語る 」 を終わります。
最後まで読んでくださってありがとうございました。