※ 注意!
【 この日誌は筆者の妄想です。事実とは異なる点が多々あるのでご了承ください 】
よろしいですか?
皆様こんにちは。
アストルティア食糧農業機構 ( AFAO ) 調査員のテオフィロスです。
本日は、ウェナ諸島の食糧事情について皆様にご報告いたします。
ウェナ諸島は大小さまざまな島嶼で構成されており、豊富な海産物を産することで有名です。
従って、ウェナ諸島の食生活は魚が中心のようです。
一方、ウェナ諸島の土地は総じて痩せており農業にはあまり向いていません。
ディオーレ女王の恵みの歌の効果で一応作物は育つものの、プクランドのように他国に輸出するほどの収穫はないようです。
畑にはトマトやキャベツ、大根などの多様な作物が実っていますが、これらはもっぱら自家消費に用いられています。
また、土地が痩せているため小麦の栽培もほとんど行われず、主食となるのはタロイモなどの芋類のようです。
畑作には向いていない土地柄ですが、その反面あたたかい気候のおかげか果樹類の実りは豊かなようで、ウェナ諸島のフルーツは海産物と並んで重要な輸出品となっています。
さて、魚中心の食生活を送るウェディたちですが、牛や豚などの肉類は食べないのでしょうか?
調査の結果、まったく食べないわけではありませんが、やはり海産物を好んで食べる傾向にあるようです。
なぜか?
これに関してはドルワーム王国の王立研究院が興味深い論文を書いています。
曰く、
『 牛や豚に含まれる脂分は常温では凝固してしまうが、魚類に含まれる脂分は常温では融解状態のままを保っている。これは、低温の水中においても体内の脂分が固まらないためだと推察される 』
食事によって摂取した脂分は消化されたあと吸収され血液と共に血管内を巡ります。この血液中の脂分が牛や豚由来の場合、体温が低下すると血管内で凝固して塞栓を起こす恐れがあるのです。
おそらく、水中での活動が多いウェディたちは本能でそのことを知悉しており、牛や豚ではなく魚類を中心とした食生活を自然と営むようになったのでしょう。
また、ウェディといえばそのスタイルの良さでも有名なことと思います。
ウェナ諸島の料理には 「 とこなつココナッツ 」 を原料にしたココナッツオイルが使われるようで、このオイルは摂取しても肥満になりにくく、血液をサラサラにする効果もあり、彼らの美しいスタイルを保つのに一役かっているわけです。
ところで、ここまで読んだ方はひとつの疑問が浮かんだのではないでしょうか。
『 魚ばかりの食生活で、必要なタンパク質を充分に摂れるのか? 』
実はあまり知られていないことですが、ウェナ諸島では羊の牧畜が盛んなのです。
ヴェリナード領北とヴァース大山林の境界辺りにて大規模な牧羊が行われており、その羊たちから採れるミルクがウェディたちの重要なタンパク源となっているのです。
この羊たちはミルクを提供してくれるだけでなく、その羊毛は 「 やわらかウール 」 として職人たちの素材として重宝されています。
さいほう職人たちの中心であるさいほうギルドがジュレットの町にあるのも、この辺りに理由があるのかもしれませんね。
以上で 【 六大陸の食糧事情 ウェナ編 】 の報告を終わります。
また別の大陸の報告書でお会いしましょう。