※ 注意!
【 この日誌は筆者の妄想です。事実とは異なる点が多々あるのでご了承ください 】
よろしいですか?
皆様こんにちは。
アストルティア食糧農業機構 ( AFAO ) 調査員のテオフィロスです。
本日は、エルトナ大陸の食糧事情について皆様にご報告いたします。
エルトナ大陸は山や森、河、平原と豊かな自然に恵まれており、農業も盛んです。
特にエルフたちの主食であるライスフラワーの生産量は六大陸随一で、大河のほとりに広がるキリカ平原は一大穀倉地帯となっています。
エルフの食卓は豊富な食材に反してとても質素であり、ライスフラワーからとれるお米を中心に、焼き魚、漬け物、煮物、野菜類が並びます。
せいろの中では、にんじん、レンコン、しいたけ、サツマイモ、ブロッコリーなど色とりどりな野菜が湯気をのぼらせていて実に美味しそうです。
そんな素朴な食生活をおくるエルフですが、宴会ともなればそれなりに豪華な料理がテーブルを彩ります。
特に魚介類を捌いて生で食する 「 刺身 」 の美味しさは他の大陸でも評判で、エルトナ大陸を訪れたなら一度は食べておくべきと言われるほどです。
そんなに美味しいのなら毎日でも食べたいところですが、そう簡単にはいかない事情があるのです。
実はエルトナ大陸は海岸のほとんどが断崖絶壁であり、漁業を営むのに適した浜辺が少ないのです。
唯一、大陸南部に大規模な漁をおこなえる広い浜辺があるのですが、この浜辺とカミハルムイ領南の間には交通の難所であるテテリ渓谷が横たわっており、物資の大量輸送の障害となっているのです。
そのため、新鮮な海産物の取引価格は高騰し、一般的な庶民にとって刺身は高級品となっているのでした。
一方でスイゼン湿原の東端の海岸部では海藻の一種である 「 海苔 」 の養殖が盛んで、エルフにとってメジャーな携帯食である 「 おにぎり 」 の素材として欠かせないものとなっています。
また、エルトナ大陸の食文化を語る上で欠かせないのが、お米を原料としたお酒 「 清酒 」 の存在でしょう。
上質なお米とエルトナ大陸の清らかな水で作られた清酒は他の大陸にも愛好家が多く、一説では幻の酒と言われる 『 痛恨の一撃 』 は魔族にもファンがいるとかいないとか。
お酒の他にも、エルトナ大陸では 「 お茶 」 を飲む習慣があり、アズラン地方の川沿いでは広範囲に渡ってチャノキの葉という茶葉が栽培されています。
エルフにとってお茶はただ喉の渇きを潤すだけでなく、 「 侘び寂び 」 という独特な美的感覚と融合し、ひとつの文化として完成されているという側面があるのです。
以上で 【 六大陸の食糧事情 エルトナ編 】 の報告を終わります。
また別の大陸の報告書でお会いしましょう。