「チーム、入りませんか?」
オルフェアのサーカステント前で微笑みながら、イケメンの彼はそう言った。その瞳はボクではなく隣のプクリポを見つめていた。
それがいつだったのか、具体的な数字はもう思いだせないぐらい昔の話。
職人ギルドを転々とするも身に付かず、いつか調理職人になるのだと言い訳をして、道具職人の妹(サブキャラ)の稼ぎをちょろまかしては装備を買っていた。ジュレットの妹の家は気に入っていたけれどタンスの共用にも限界が見えてきたし、いつまでも甘えてばかりもいられない。調理ギルドに通う為と妹から更なる借金をしてオルフェア住宅村での新生活が始まった。そんなある日、彼との出会いがあった。(と、ボクは記憶している。)
「プクリポリタン劇団って言います。いつかチームの皆でお芝居とかのユーザーイベントが出来ると良いなと思って、この名前にしました。」
「プクリポリタン…プクリポが好きなんですか?」
「はいっ!」
とびきりの笑顔を見せる彼は、何故かプクリポでは無くエテーネの民だった。壮大な夢を口に出せるとは面白い人だなあ、と思った。(結局その時ボクの隣にいたのが誰かは思いだせない。)
プレイ時間帯の関係で、彼のイベントを見にいく機会がなかなか無かったけれど「ふすまポリタン」という公演があると聞いてコッソリ覗きに行った。あいにく途中で用事が出来て長居は出来なかったけれど。そのころにはもう彼にはたくさんのファンが居た。
足を運ぶチャンスは少なかったけれどTwitterという外部ツールで、彼の活躍は耳にしていた。アストルティアではすれ違いつづけてはいたけれど、それぞれのINOUTのタイミングでの挨拶というわずかな交流は続いていた。
「おしごとおわりーーーん!」
「おつかれさまでーーーす!」
「おつありーー!みはえるさんとはこのやりとりしかしてないっっw」
「じゃあ一緒に遊んでください!」
「あそぼーー!まずはフレンド申請から!w」
人気者の彼のフレンド欄に空きがあるという、このラッキー。
次の日、運良くいつもより早めの時間帯での公演で「孤独のクロムseasen2(再)」があるというので善は急げ。
イベント前にご挨拶すべきか迷ったけど、準備もあるだろうし公演後にしようと思っていたのに、客席の中にボクを見つけた彼は芝居の合間のわずかなタイミングにフレンド申請をしてきた。顔だけでなくやることもイケメンであった。
ずっと貴方のファンでした。
いつかアストルティアでまた会えたら、この話をしようと思っていました。
やーい!覚えていないだろwww
ファンでした、って書くと過去形みたいだな。
でもこれからはファンなだけじゃなくフレンドだ。
こんなボクですが、これからもどうぞよろしくです!