我が家のテーマは、四季。
四角の家。四角という形を活かし、4つのものと(可能なら)和風というものを組み合わせたとき、真っ先に思い付いたのがこのアイデア。
ふすまは視野の関係と大きさでS家では使いづらいのですが、 ふすまは家の壁を貫くような配置ができるのでそこをうまく使ってみました。
というわけで、まずは庭から。
紹介文にもある通り、実は最初に庭をぐるりと回って季節を感じてもらいたいという気持ちがありました。
家正面は四季の始まりということでピンクモーモンと共に桜舞い散る春。左から回ると、チリン…と風鈴の音と共に夏景色。
秋の銀杏と紅葉の並木を駆け抜けて、クリスマスのアーチを抜けると冬景色。振り返ってみるとクリスマスのアーチにお正月の門も合わせています。
そして、再び春へ。
ハウジングコンテストとはいえこの世界はドラクエなので、モンスター像も配置しました。個人的には、夏のかき氷マリンスライムと、秋のベンチニードルカップルがお気に入り。
4つの季節が移り変わりながらも続いていく、それを庭を回ることで体感してもらうイメージで作りました。
ぐるりと回ってもらったあとに入ると、なんとふすまに囲われた家!
紹介文にはS家特有の視野に負けない、と書いてますが、正直これが限界でした。ふすまで囲ってるぶん、ふすまで視野が遮られてしまう…。
でも、たぶんそれにも負けないくらいのいいものを見てもらえれば…なんて思って作った家です。
見て分かる通り、梅のふすまで春、金魚のふすまで夏、十五夜のふすまで秋、レトロのふすま(正月)で冬となっています。
それぞれ、春はひな祭り、夏は夏休み、秋は十五夜、冬はお正月。
さらに季節にちなんだ天井飾りとして、春の桜、夏の梅雨、秋の紅葉、冬は正月らしくコマや扇子のついてるライトを。
対角線上に春と秋にモンスター、夏と冬に種族ぬいぐるみ(ちょうど5種族)を置いてるのも、小さなこだわり。
そして、ふすまを開けると…雰囲気がまた少し変わります。
春は一面満開の花が咲いてます。春の訪れをイメージ。
夏はやっぱり海!イメージとしては夏休みの宿題終わったから海に行くぞ!的な。
秋は、月を見ずにそっぽ向いてるように見えるウサギが実は夜空に輝く大きな月を眺めている。
冬は、隠しふすまと一面の雪景色。メリークリスマス!
実は、角に設置した隠し家具を見るのに、2つのふすまを開けると見えるような仕組みになっています。
片方だけ開けても見えない、って感じです。
こんな感じでふすまを活かし、四季を形にしてみました。
四季と言えばたくさんの季節家具・庭具があり、季節イベントとかのものを置きまくればいいように思えますが、
実はバランスを考えた時に苦労がかなりありました。
春に使う桜の家具はものすごく洋風だし、それ以外の春の家具は見当たらない。庭具は桜の木だけ。
夏の家具は七夕イベントがあるから多くありそうで、でも和風に合うものは意外と多くはない。七夕の飾り系は庭にしかない。
秋は十五夜を表現したいけれど、団子にあたる家具がなく、雰囲気がいまひとつ。庭具に関しては木のみ。アーチにあたる庭具がない。白ウサギのニードルうさこはルール上置けない。
冬といえばクリスマス、雪景色、雪のふすまと合う。雪の箱舟も使える。しかし果たしてそれを和風の家に入れていいのか。そもそも雪のふすまは和風らしさが弱い。バレンタインもお菓子系家具ばかり。
結果、いろんな全体のバランスを考えたら、ただ単に季節家具・庭具を並べても微妙にしかならないことが判明。
散々悩み、季節家具以外で補完しながら試行錯誤を経てこういった形になりました。
イメージを実際に形にしようにも、うまくいかないことがたくさんあるんだなぁと感じましたね。
今回はハウジングコンテストというイベント、不特定多数の方が我が家に訪れることになるので、いかに自分の家を見てもらえるかがポイントになります。
印象に残らないようなら、作り手としては寂しいです。
しかしS家の四角の家は、1階しかなく、狭い。
人によっては、一目見て終わり。
でもそれはもったいない。
見るだけなら写真だけでもいいんです。撮り方次第でいくらでもよく見せられる。でも来てくれた方は実際に足を運んでくれているわけで。
なので、庭をぐるりと回ってもらったり、ふすまを開け閉めして違う雰囲気に変わったり…見るだけがハウジングだけでなく、季節を感じ、触れてもらえたら、という気持ちでいろんな要素を詰め込んでみました。
ちょっと気になった方いましたらぜひ一度お越しくださいませ。