バージョン5.2の記録です。
今回は、ストーリーがだいぶ進んでからの内容なので、ストーリーがまだまだの人、ネタバレNGの人は、ストーリーが終わってから読んでくれたら嬉しいデス。ストーリー完了の人、ネタバレオッケーの人は、続きへgo~
さて。
色々あって、ついにアタシは魔界の大魔王に就任することになってしまった。
まさかの展開だけど、それでも自分で納得づくで決断したことなんで、引き受けたからには覚悟は決めなきゃならんと腹を括った。
その第一歩となるのが、大魔王就任を魔界全域に宣言するための戴冠式だ。
各国の代表には、これに参列して貰わなければならない。
まずゼクレス魔導国に話をつけに行くと。
アスバルは、出席を快諾してくれた上で、就任を祝う贈り物をくれた。
贈り物は2つ。
ひとつは何と大魔王の王冠だった。
ゼクレスの初代が大魔王だったそうで、その人の王冠を譲ってくれると言うのだから、なんとも気前が良いことだ。
もうひとつの贈り物は、こんな風になるしぐさのやり方。
王者のいずまい…って、王ってこんな感じでいつも座ってなきゃならんのかな?
まあ、アタシあまり座ってられるほどのんびり王様やってられるとは、正直思えないんだけどね…
厚意は有り難く頂いておこう。
続いてバルディスタに話をつけに行った、そしたら。バルディスタからは、バルディスタらしい就任祝いが用意されていた。
バルディスタの民の前で、ヴァレリアは自分と戦って見せろというんだ。
そうすることで、良い効果が幾つもあるのがすぐに解った。
思い切り戦うことで、アタシはヴァレリアへの苦手意識を払拭できるだろうし、ヴァレリアはアストルティア出身のアタシが大魔王になる現実に折り合いをつけられる。
また、言うまでもなく、ヴァレリアと互角以上に戦ってみせれば、バルディスタの民から大魔王就任への異論は以後一切出ることもなく、何かとやり易くなるだろう。
更には、ヴァレリアと互角相当の実力を持つアタシという存在を印象づけることで、万一の事態が起きた場合には、アタシがバルディスタの秩序を維持することにもなる筈。
…こうした一石何鳥もの就任祝い、ひょっとしたら、知恵者ベルトロあたりが具申したのかも知れない。
バルディスタからの、もうひとつの粋な贈り物が、これ。
なんと、ヴァレリアとお揃いの馬!
魔界馬だからか、なかなかに気が荒いみたいで、ちょっと焦らすと後足立ちになるクセはあるけど、走らせれば乗り心地は上々。
さすが魔王の名馬だね。
…
そして、ユシュカからは。
…
城!
おまけは、大成功のドッキリ。
魔仙卿もイルーシャもグルになって、ドッキリを仕掛けて来るとか…もー。
ユシュカめ何百年生きてるか知らんが、中身はまだまだ餓鬼だなコイツ。
まあそれで気が済んだならそれでもいい。
自分が大魔王になった時のために、用意していた城をそっくりくれると言うのだから、大した太っ腹だよ。
更には、魔王じゃないけど先代の大魔王の孫からは、玉座が贈られていた。
…おじいちゃんのお古を譲ってくれたんじゃなくて、わざわざ新しく作ってくれたんだそう。
なかなか、独創的なデザインの玉座を。
かくして。
魔界各地からの信任を取りつけたアタシは、いよいよ戴冠式に臨むことになった。
一体これからどんなことになるのか、勿論先のことはわからない。
はっきりしているのは、今までとは桁違いの大変な責任を負うことだけ。
でも、自分で決めたことだから。
覚悟は、していたつもりだった。