バージョン5.3の記録です。
今回からは、ストーリーが進んでからの内容を含みます。
ストーリーがまだまだの人、ネタバレNGの人は、ストーリーを進めてから、読んでくれたら嬉しいデス。
バージョン5.3がある程度進んでいる人、まだだけどネタバレオッケーの人は、続きへgo~
さて。
色々やって、アタシが大魔王らしさをアピールしているところへ、今度は緊急事態発生の報せが入った。
何でも、またもや魔瘴塚が出現して、大量の魔瘴が噴出している場所があるというのだ。
すぐ近くには兵士の駐屯所があるので、そこにいる兵士からの救援要請が来ているという。
魔瘴塚の始末となれば、イルーシャの力を借りるしかない。
早速彼女を伴って、現場に駆け付けたところ…。
…あれ?
何となくそれっぽいモノは見つかったけど、アタシ達が着いた時点で、もう魔瘴は全く出ていなかった。
その先にある駐屯所の責任者に聞いてみると、魔瘴塚がいきなり出現して、大量の魔瘴が噴き出したのは事実だそう。
ところがそこへ、正体不明の一団が現れ、魔瘴塚を封じてしまったのだという。
…魔瘴塚を封印、ね。
イルーシャ以外に、魔瘴塚を無力化できる者がいたとは、驚きだった。
彼女が行う無力化とは、ちょっと違うようだけど。
イルーシャが魔瘴塚を始末した場合は、こんな感じになる。
彼女の場合は、謂わば浄化。
忌まわしい魔瘴のかわりに綺麗な水が湧き出す泉になってしまうのだ。
謎の一団の場合は、かなり強引な無力化のように見える。
魔瘴は出なくなるが、塚は完全に枯死する感じだ。
それがいけないと言いたい訳じゃないんだけど、イルーシャの浄化を見てきた目には、何だか優しくないなと感じてしまったのは、偽らざるところだ。
実際、謎の一団が魔瘴塚を無力化したのは、別に駐屯所の兵士達を助ける為ではなかったらしい。
たまたま行き合わせたから、そして、人探しのために彼らを尋問したかったからのようだ。
謎の一団は、駐屯所の兵士達に、強い女の魔王を探していると言っていたという。
尋ねる態度は高圧的で、仇を探しているらしいと直ぐに知れる程だったそうだ。
ヴァレリアのことに違いないと思った責任者は、しらを切ったそうだけど、いずれは知れてしまうだろうから、バルディスタに知らせて欲しいと言っていた。
ヴァレリアがかつて滅ぼした国は数知れず。
いつどこの誰が復讐しに来てもおかしくはない。
…と、アタシを含めて魔界の誰もが考えてしまった。
報せを持っていったバルディスタで、ヴァレリアの留守を預かるこの男も同意見だったようだ。
アタシ達が着いた時には、謎の一団は既にバルディスタに現れた後だった。
彼らはとてつもなく強く、バルディスタの精鋭達が、全く歯が立たずに悉く薙ぎ倒された程だったという。
玉座の間までも攻め込まれ、ヴァレリアの居場所を詰問されたそうだ。
まともに立ち合うのは無理だと判断したベルトロは、ヴァレリアが大魔王城にいると彼らに教えたところ、あっさり引き揚げていったという。
…って、オイ!
…いや、そりゃまあ、嘘はついてないし。
無駄に意地を張って抵抗してたら、多分かなりの人的被害が出ただろうし。
そこまで強い敵だったら、結局対応できるのはヴァレリア本人位だろうし?
とはいえ、導火線に火がついた爆弾みたいな案件をパスして寄越して、ドヤ顔されるのもな。
結果的に最善の策だとしてもだ、ちょっと腹が立たなかったというと嘘になる。
何にしても、急いで大魔王城に帰らなきゃならないじゃないか。
…
この時。
いや、まず最初に、救援要請を寄越した駐屯所に何があるのかを、もうちょっと深く考えてみるべきだったな、と、後になってアタシは思った。
そこにある、重要な施設。
その名をルクスガン大門という。
もしも、その先に進むことができれば、やがてはガミルゴの盾島に至る。
そんな場所に現れた彼らが誰か、アタシには、他の誰より先に、解っても良い筈だったんだ…。