キュキュの冒険日誌

＜タイトル＞
ゲルト海峡の悪魔


＜PR文＞

ゲルト海峡には、悪魔が棲んでいる。

雷の夜に手下を引き連れ、
辺り一面を霧に包んだかと思うと
瞬く間に船を沈めていくのだ。
ゆめゆめ、荒天での航行はすることなかれ。

海峡で起こる座礁事故を畏れた民が
険しい岩壁や岩礁を悪魔に例え
航海士に語ったとされる、伝説である。

現在開催されている「フレーム」の写真コンテストに、
上記の内容でエントリーNo.782にて応募しました。

もしかしたら撮り直すかもしれませんが、
今回のコンテストでは最後の応募作品となります。


他の応募作品は、アイデアが固まる中で自然と
種族やできるしぐさ、あるいは画角など
『この写真はこの子で撮ろう』という理由があって
自然と（写真の最終形も込みで）固まっていったのですが、
キュキュさんだけ一人、結局応募開始時まで
『これだ！』と思うものが出てきませんでした。

（上はカメラテスト中にボツにした、猫と戯れる写真）


応募開始後、Twitterに展開される数々の素敵な写真を見ながら
『あまり見かけないフレームでチャレンジする』
ことはできないかと思い、とりあえず羊皮紙からスタート。

羊皮紙から思いつくのは宝の地図（安直）。
宝の地図から連想するのはワンピース（安直）。

となればやっぱり船でしょう！、、
と、とりあえず船を浮かべることに。
ボトルシップと家の壁を利用して、
なんとかそれっぽい感じを作ることができました。


しかし、カメラ角度の問題で
あまりこれ以上なにかを画面に仕込むことは
（自分には）難しかったので、一旦宝の地図から離れることに。

ここで改めてボトルシップの船を見ると、
この船は『難破した海賊船』なんですよね。

それでは、この海賊船を襲った悲劇とはなんだったのか。

アストルティアの海賊について調べてみたところ、
見つかったのは2つありました。

そのうちの1つが、ギルザッド地方にある『海賊のアジト』。
（もう一つは、クエストの物語に絡む内容のため割愛します）

既に廃墟と化している場所ですが、
この場所を拠点として活動していたとして、
予想される活動範囲の中に、気になる箇所があります。

それが『ゲルト海峡』です。

現地は岩壁に切り立った場所で、
潮の流れが不安定になりやすく、
地形柄岩礁の存在も予測される箇所です。
（もしかしたら資料があるかもしれませんが、間違っていたらすみません）

そのような場所があるならば、
ボトルシップのモチーフとなった海賊船の
この姿にも、理由がつくのです。

そして同時に、一つの疑問も浮かびます。
『座礁する船は海賊船だけではないはずで、
　その海を知るものは、航海の危険性を伝えていたはずでは？』

航海に携わるものであれば、
知識と根拠に基づく説明ができたかもしれません。

でもそれはあくまで調査ありきの話で、
調査の技術もなかった時代なら
どのように伝えていたのか、、、。

きっと、世界各地にある土着の物語と同じように、
事故の原因を異形なるものに例えて
畏れぬものに語り聞かせたのでは、と考え至り
海賊船の物語が、一つにつながりました。


フレームを変えて、ギザギザを波に見立てつつ、
ダークのフィルターで世界観を刷新。

岩壁は大きな魔物（ここでは語呂のため悪魔としました）、
濃霧はその魔物の部下が吐き出す息、
岩礁による船の破壊は、悪魔による破壊。

全ての線がつながり、形が見えてきます。
ここから、テーマをより引き立てるために
部下の数を減らしたり、悪魔の姿を大きくしたり。

そのような工夫を経て仕上がったのが、
最初の写真となりました。

こういう写真は今まで挑戦したことがなかったので、新しい自分の引き出しを作るような、
非常にいい経験となりました(｀・ω・´)