「これにて閉廷します。」
りおるは安堵の溜め息を漏らし、法廷を後にした。
打ち放しのコンクリートに囲まれた大空間を歩きながら呟いた。
「皮肉なものだな。」
来たときはピリッと張り詰めた空気が胸を締め付け不快感さえ覚えたが、今はこの冷たさが心地好い。その場の雰囲気など気の持ちようでいくらでも変わるものだ。
まもなく訪れた重厚な鉄扉を前に、りおるは御守りとして持っていた白紙を胸ポケットから取り出した。幾重にも折られ、小さく、分厚くなった白紙をぎこちない手付きで開いていく。
(手が震えてら。)
あと一度開けば中に書かれた文字が姿を現すが、まだ開けない。門扉に手を掛け、ゆっくりと押し開く。ドアの隙間から明るい日の光が差し込んだ。
(随分長く感じたけど、まだ昼なんだ。)
無数のフラッシュが飛び込んできた。りおるさーん!あちらこちらから名前を呼ばれる。勝つことを信じて疑わない、期待と熱の籠った声だと感じた。白紙を握る手に自然と力が入った。
りおるは群衆に近づき、紙を掲げた。
勝訴
ほんの一瞬の間があった後、大歓声が沸き起こる。
堪えていた笑みを溢し、りおるは叫んだ。
「勝ち取ったぞ!!有給!!!!」
やったぞおおおおおお!!!
くぁwせdrftgyふじこぉぉ!(手打ち)
気分はサマーバケイション!りおるです!こんばんわ!ヒャッホーイ!!
アイアムサマー!お月サマー!バケーーショーーン!
さて、明日は何をしようかな!
その前に今日だな!
そういえば新ボス出てましたね!
スコルパイル?スコルバイト?
そいつ倒しに行こうかな!
え?
聖守護者?
聞いたことないな。
え?
バージョン4?
闇の領界なう!
ストーリーを進めようと思います!
Prrrrr・・・
りおる「はい」
課長「りおるさん、ごめん!やっぱ明日出れないかな!?ほんとごめんね!」
りおる「あ、別に用事があったわけじゃないんで!全然大丈夫です!」
ノーサマーバケーショォォォォン!!!