某格闘家はイメージ力に長けています。彼はトレーニングの中に『リアルシャドー』というプログラムを組み込み、脳内で他の格闘家と実践練習を行っています。脳内で戦っているだけのはずなのに、「エンドルフィン!」とか言っちゃって、練習が終わる頃には彼の体は全身血まみれになっています。イメージトレーニングってすごい。こんばんわ。範馬刃牙です。
今日の午前中は、私の背後に鎮座する事業部長と次長が、クリスマスの飲み会の計画を立てていました。ジャズが聞けるお店が良いだの、ピアノがあるお店が良いだの、お前ら仕事しろよって感じでしたので、私も負けじと仕事はそこそこに、脳内ドラゴンクエストでスコルパイドをフルボッコにしておきました。
お陰で今日帰ったらスコルパイドに圧勝で勝てる気がしてきました。イメージトレーニングは大切ですね。
さて、明日土曜日はドラクエで知り合ったフレンドのドリエルと飲みに行ってきます。当然リアルでは初対面ですので、しっかりとイメージトレーニングをして彼との遭遇に臨もうと思います。
◯ドリエルが石原さとみ似の超絶美少女だった場合
今回の飲みの名目は、ドリエルが私にダークキングやスコルパイド戦の立ち回りを指南するというもの。「女子との合コンを蹴って、りおるとの飲みを選んであげた。」と彼は言っています。
また、彼の一人称は「おれ」。
このことから、彼が女性である確率は極めて低いわけですが、万が一の事態をも想定して動くに越したことはありません。
ドリエルが美少女だった場合、私は緊張のあまり、極端に口数が減ってしまうことでしょう。まずは居酒屋まで何とかエスコートしましょう。
「あっ、あっ、こっ、こんばんわっ!ドッ、ドドッ、ドドリアさんですか?!」
「(笑) ドリエルですよ♪」
「あああっ、ごめんなさい!おっ、お店はこっちです!」
めっちゃキョドってるーと思われながらも何とか居酒屋に着きました。こうなってしまえば、あとはお酒の力で何とかなる気がします。オーケー。
◯ドリエルが強面のボブ・サップみたいな人だった場合
美少女と比べると、こちらの方が可能性は高いと思われます。さすがにボブ・サップみたいな人とタイマンでお酒を飲む勇気は私にはありませんので、逃げるイメージトレーニングもしておきましょう。
まず、落ち合う前段階として、自分の容姿をLINEで伝えておきます。
「わし、今日は黒系のスーツで来てるお」
こう伝えれば、ドリエルは待ち合わせ場所に着いた後、スーツ姿の男性を探すはずですね。街にはスーツの男性など五万といます。ところが、実際の私の服装はジーパンに青いニットです。その為、ボブ・サップは「リオル ドコダ デテコイ」と駅周辺を徘徊することになります。
ここで私は、その不審者にいち早く気付くことが肝要です。ボブ・サップを見つけたらすぐに改札へと戻りましょう。そして家路を急ぎ、すかさずドラクエ10を起動します。ログインしたら真っ先にドリエルをフレンドから消去しましょう。ついでにLINEもブロックしましょう。これでもう安心です。何もなかったことにして日常生活に戻れます。
但し、相手はボブ・サップです。容姿をスーツ姿と伝えたにも関わらず、野生の勘的なアレで私を見つけるかもしれません。
「リオルサンデスカ?」
こうなってしまっては逃れる術はありません。下手に逃げると「リオル ドウシテ ニゲル チョット コッチコイヤ」と夜の街へ強制連行され命に関わりますので、諦めましょう。きっとお酒の力で何とかなると思います。オーケー。
◯ドリエルがごく普通の男性の場合
なんかもう、普通の人だったら余裕な気がしてますね。普通にお酒飲んで、普通に談笑して、ドリエルの家に行って、吐瀉物を撒き散らして帰ろうかなと思います。
完璧なイメージトレーニングが出来たので、もう初対面の知らない人も怖くありません。ドリエルとの飲み会楽しみだぁ!