ようやくあの退屈だった留守番も終わり、今は世界を駆け巡る日々だ。
やはり大自然の風は良い。昔を思いだす様だ...と、思ったがオレには記憶が無かった。
...記憶が無いのを忘れるとは... 自己紹介も忘れていたな。モどんだ。
ここ数日、デコ姫の城下町にある宿屋で寝泊まりをしている。事の発端は、デコ姫のお使いでアラハギーロへ向かう道中でオレの背中に乗っているアイツに、良い武器はひとまず揃ったが、使いこなす技量がなければ宝の持ち腐れ、プクに真珠、デコに小判ではないのかと聞いた。
アイツは一瞬ムクれ玉になったが、急に何か思いついたのかオレの自慢のタテガミを引っ張りながら「特訓だ!トックン!」と言って背上でバタバタしだした。やめてくれ、腰が痛い。
...まぁ、そんなわけで丁度デコ姫の部屋に最近現れた変な扉の先で探索がてら修行をしているのだ。
おそらくここから先は敵も段違いに強くなり、厳しい戦いになってくる。それには仲間同士の連携と力の底上げが必要だ。オレには何の異論もなかった。
そのおかげかデコ姫も出会った頃は独りよがりな部分もあったが徐々に戦闘においても仲間の大切さを理解してきている様に感じる。なかなか良い風向きだろう。
それとあとひとつ、「仲間」といえば、...仲間と言えるのかは分からないが、つい先日アイツがどこで拾ったのかうす黒くて丸い変な生き物を連れてきた。名前は「あんこ玉」だと...。
多分オレが影でアイツをそう呼んでいるのを知っての事だろう。イヤなヤツだ。
デコ姫が大層可愛いがっている。小娘は大抵丸くてフワフワしたモノが好きだ。
物知りのハザクラに聞くと「シュジャク」という幻魔だそうだ。常にアイツの後ろをついて回っている。
特に何をする訳でもなく害もない。が、たまに近くで突然放電?されると少しビリっとするのでアレは何とかならないかと飼い主(?)に言うと、痺れ耐性のベルトを渡された。そういう問題ではないのだが。
とりあえずこのメンバーで旅することになる。ビリっとする以外は問題はない。
またダラダラと語ってしまった。次からはもっと簡潔に書こうと思う。