7軒目。おつゆさん宅。テーマは「大正浪漫」。
おつゆさんといえば大正浪漫!ここテストに出ます。
大正浪漫のテーマの中には広義には和洋折衷テイストが入ってくると勝手に思っていて、和洋折衷を自宅のテーマに持つ私にとってはすごく心惹かれるお宅です。
まずお庭。この辺は完全な和の空気感です。寺社の一画のような静か〜な雰囲気。植物の緑と石のグレーを中心とした抑えめの色調が時代を感じさせます。侘びてます。
この庭の静かな空気を想像しつつ中に入ると、そこには色の濃い洋テイストの空間が。小さな間取が襖で仕切られていて和風かと思いきや、絨毯や机椅子は洋風。ここの間の色に、入り口の模様扉がすごく合っていますね。色飾りと和風の相性は良く、このことが和洋折衷や大正浪漫の風情をとても彩り豊かに再現してくれます。和洋折衷を目指す方はこれを上手く使いたいところ。
柱ライフの第一人者でもあるおつゆさん。柱の和とも洋ともつかない絶妙なデザインをとても上手く取り入れていらっしゃると思います。十五夜の襖の格子が増えているのも注目で、右の入り口の扉との縦線のバランスに一役買っている気がします。
壁には時計が。現代からすれば古びた印象のある壁掛け時計。ぼーんぼーんと刻を打つ機械式の時計ですね。この時計があることでこの家の時代感覚が一挙に押し寄せてくる気がします。
家の雰囲気を決める家具ってありますよね。形の大小やデザインに関係なくそれがあるおかげで家の空気がそうなっちゃう家具。その家具そのものをこうして自ら生み出すおつゆさんのハウジングの遊び方、素敵です。
次の間には畳。ここは和の空間となっています。柱やラグでちゃんと間を仕切ってあって、S家なのに広く感じます。
ここは書生さんの居間なのか質素そのもの。洋間と比較して装飾性が薄い、、、のですが部屋としての構造の無理のない感じや、居間に派手さを求めない(のだろうなと思う)現実的な家具配置がかえってリアルです。
そしてお台所も質素な和風ではありますが、古臭い格子窓から眩しい西陽が差し込んでいます。ここは一体どうなってるのでしょう!?
生活感をとても感じます。窓から光が差す光景は現実感が伴って素晴らしいと思います。置いてある家具は色味が質素なのでこの窓の雰囲気が余計に引き立つ良いバランスと思いました。
和洋のめりはりが良く、生活設備も完備してあり、時計や窓といった雰囲気を決める要の家具が充実しており、大正浪漫のテーマに沿った情緒をたっぷりしっとり含んだ素晴らしいお宅でした。和風好き/和洋折衷好き必見!
では。