久しぶりにお宅訪問日誌茶番編音楽付き。
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ドビュッシー 「子供の領分」から「雪は踊っている」
https://youtu.be/11TNjZ5s9d0
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遠出をして、古い知人が住む屋敷を訪ねたら、当の伯爵は留守だという。
私は家の人の勧めで、伯爵の帰りを待たせてもらうことにした。
もともと雪深い地域ではあるが、窓の外を見てみると、私が訪ねてきたあたりから、いっそう吹雪の勢いが増してきていた。
「ひどい雪ですね。さぞお寒かったことでしょう。」
家人が静かに言う。
「あなた様もどうぞ、暖炉におあたりなさいませ。」
石造の暖炉は綺麗な作りだった。なかでは炎に薪が爆ぜていた。
ようやく体も暖まり、私はしばし、部屋の中を見せてもらうことにした。
そうだ、伯爵は本が好きだった。
私と一緒にいた頃も、いつも本だけは手放さなかったっけ。
今もきっとこの読書室で紅茶でも飲みながらお気に入りの本を読むのだろうな。なんだ、食器が出しっぱなしじゃないか。あいつ、だらしないところもあったっけな。家の人も家の人だ。片付けないのかね。
寝室の方も本でいっぱいだった。壁一面本棚になっていて、綺麗に本が収められている。
と、端の方にはうず高く重なった本の塔ができていた。もはや本棚に入りきらなくなったのだろうか。
本棚を新しく作ってもらう暇もないのか。そんな速さで本を読めるなんて羨ましい。私なんて本を一冊二冊読む間にいくつもの本棚が出来上がってしまうだろうに。
なんてことを思いながら積んである本を眺めていた。
どれどれ、、、「世界犯罪史」「毒草大全」「劇薬取扱心得」「完全犯罪入門」。
ずいぶん偏った趣味だなあと思いながら、私は居間に戻った。
「本当にひどい雪ですね。」
夫人が冷たく言う。
「この雪では主人は本日は出先から戻れないかも。」
「あなた様もどうぞ、本日はここにお泊りなさいませ。」
ゴトッ、と薪が折れた音がした。火の粉が暖炉から飛び出した。私は汗をかいていて、窓の外は相変わらず吹雪いていた。
「さあ、遠慮なさらず、紅茶でもお飲みになって。。。」
そういえば。あいつ、いつの間に結婚なんかしていたんだろう。
この婦人はいったい誰なんだろう。。。
おしまい。
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さおりさんの伯爵家の雪の雰囲気がとても好きで、しかも設定がミステリアスな風情だったのでずっと気になっていたのです。
でドビュッシー(まだここから先遡れてない笑)を聞いていたらばこんな曲があると知り、雪で閉ざされた屋敷での一幕を作って遊んでみました。
でも、、、ここ数日Babymetalの登板回数が多くなりつつあります!ド・キ・ド・キ☆モーニングが好きです。(=´∀`)人(´∀`=)
ではまた〜。