アリアドネ―さん主催のハウジング万博2022に参加!
家自体は5月末ごろには出来上がっていたのですが万博の開催を知ってこの機会に出展させていただきました。
家、たしかに家をいじりましたが、はたして家と言っていいのでしょうか。
キットは夜宴館で、それはそれは広く飾りきれないと噂を聞いていたところ、広さを活かしてこれまで置けなかったあれやこれやを置いてみようと思って作りました。
いちばん置いてみたかったのは燭台ランプの「大」の状態のやつで、これがひたすら並んで遠くへ続いてゆく長い道のようなものをイメージして、置き始めました。
しかし最初のイメージはどこへやら、途中から夜宴館の広さを大きな家具で埋め尽くすようなスケールの大きい飾り方が面白くなってきて、大きな家具をばしばし置いて作り進めていったのです。
普通の家なら1個か2個か置けばもういっぱい、みたいな空の家具やかきわりを置いていったところ、空の重なりやかきわりの重なりが、有り得ない空間のゆがみのような、心のざわつきのようなものを放ってきているような気がして、そういう方向で置き進めました。
空間そのものを区切る気はなかったので、壁際以外は一つの広間になっていて、広い大きな空間を、よくわからない情景が取り囲むような家になっています。
1回と2階で何となく置いたものが似たようなものなので、大きな壁に囲まれた広い空間、周囲をこれらの情景に取り囲まれて逃げ場のないような、ある意味閉ざされた不安な空間、そればかり考えてしまうような、嫌な思い出のような空間に思えると思います。
床にはグリッドをいくつか網のように並べて、その下にはワニちゃんを5匹放ちました。
天井は壊れた空が重なって時空が混じる様子、目の高さは何かありそで何の意味もない燭台ランプ、床下はいつパクっとやられるかわからない不安感たっぷりのワニちゃん、そして頼りないグリッドの網、足元がおぼつかないかも・・・。
そんな感じで、こういう独創的な方向に突っ走って、ちょっと怖さや不安を煽るような飾り方にしてみました。
不気味さもあるけど、どこか可愛さや抜けた感じもあるような。
これは家と言えるのか、こんな家に何の意味が、と思わないでもないのですが、自分の頭の中からごろごろっと出てきた他にないイメージができて楽しかったです。
また、いつかテレビでみたフランシス・ベーコンの絵画論の一端で、その手の不気味な絵から感じる不安さや気味悪さ、怖さといった、一般には良くない感覚は、それを鑑賞した人たちがその感覚を共有したときに、ああ自分だけではなかったと、あなたも同じ印象を感じる仲間だったのねと、こういう感覚を感じ取るのは自分だけではなかったのだと、むしろ安心感を与えるような効果があって、それは優しさから現れるものでもある、と聞いたこともあり、こういった情景を追い求める気持ちもあって、それは自分の中で自然なことなのかなと、思ったりもしました。
住所:
メレアーデ眠る町
7519-4680 2番地
お読みいただきありがとうございました。
またね。