『セーラースカートと、夏の約束』
白い砂浜に、潮風がそっと吹き抜ける。
青と白のセーラースカートが、陽射しを受けて軽やかに揺れた。
「みるく、遅いよー!もう潮が引いちゃう!」
そう呼んだのは、旅芸人のリュート。いつも陽気で、騒がしいけれど、どこか憎めない。
「だって、このスカートが想像以上に動きやすくて!試しに少し踊ってたら時間忘れちゃって!」
みるくは照れたように笑い、つばの広い麦わら帽子を押さえた。
DQ10の世界でも珍しい“セーラースカートセット”を手に入れたのは、つい先週。
さわやかな夏の風にぴったりのその装備に、彼女は一目惚れしたのだった。
「見て、リュート。向こうの岩場、ヒトデがいっぱいいるよ!」
「あー!夏のモンスター素材も集めないとだったなぁ。けど、今日は……」
リュートがちらりとみるくを見て、にやりと笑う。
「クエストもバトルも忘れて、のんびりしようぜ?今日は、ただの『友達デート』ってことで」
みるくの頬が、ほんのりと赤く染まった。
波打ち際を歩きながら、二人の足跡が並ぶ。
白い貝殻を拾い、小さな瓶に閉じ込めたのは、今日のひとしずくの記憶。
「また、来年もここに来ようよ」
「うん。もちろん、そのときもセーラースカートでね!」
そう言って笑い合う彼らの声が、海の音と混ざって、遠くまで届いていた。