潮騒が、微かに耳に届く。ジュレットの海辺は、今日も穏やかな瑠璃色に輝いている。私の名前はみるく。青い水面のような身体を持つウェディの少女だ。束縛を嫌い、歌と恋を大切にする水の民。私にとって、この海こそが、生きる喜びそのものだ。
今日のジュレットは、風が心地よい。カラフルな風車が、海岸線に沿って軽やかに回る。「ヒュルルル……」と、風を切る音が、どこか懐かしい歌の調べのように聞こえてくる。黄色の、紫色の、青い風車たち。その中に、私の背中の大きなリボンが、風を受けてひらひらと揺れるのが感じられる。
足元の砂は、ひんやりとしていて、波打ち際ではさらさらと足の指の間をくすぐる。寄せては返す波の音は、まるで母の胎内で聞いた心音のように、私を安心させてくれる。この海の中にいれば、どんな不安も、悲しみも、すべて溶けて消えていくような気がするのだ。
遠くに見える、煌めく光のオブジェ。あれは、海の精霊の贈り物だろうか。神秘的な輝きが、私の心を温かく照らす。私は、ふと歌を口ずさみたくなった。海の民に伝わる、古くからの恋の歌。その歌声は、潮風に乗って、どこまでも遠くへ運ばれていく。
私の手には、小さな槍が握られている。この槍は、愛する者を守るためのもの。普段は、争いを好まないけれど、もし大切な人が傷つけられそうになったなら、私はこの身をもって、全力で戦うだろう。水の速さと、この身に宿る強さで。
今日も私は、このジュレットの海で、自由という名の幸福を噛み締めている。この潮騒が、あなたにも聞こえますか?私の心の歌が、届いていますか?