呪われた練度
月とも星ともつかぬ、鈍色の空が広がる。地の底から湧き上がるような淀んだ空気が肌を撫で、枯れた大木が怨嗟の声を上げるように枝を広げていた。ここがどこなのか、正確な場所はいつもぼんやりとしている。ただ、魔瘴の匂いが鼻腔に張り付き、全身が鉛のように重い。
「また上がった…」
画面の隅に表示された「レベル132」の文字に、私の指先は震えた。武闘家。振り回す両手棍は、見るからに強そうに輝いている。なのに、肝心の私、アストルティアの住人たるこの体の動きは、まるで棒のようにぎこちない。
モンスターの呻き声が聞こえる。次の戦いが迫っている。心臓がドクン、と大きく脈打つ。喜びではない。むしろ、深い焦燥感だ。強くなったはずなのに、まるで何もできない。スキルポイントを振っても、装備を整えても、指先が思うように動かない。攻撃は空を切り、回避は間に合わない。
(違う、私が求めていたのはこれじゃない…!)
喉の奥で叫びが渦巻く。レベルだけが、意思を持ったかのように上昇していく。そのたびに、私の中に宿る無力感が、さらに深く根を張っていくようだった。この世界では、強さがすべてだ。しかし、私はこの強さを、使いこなせない。
乾いた風が、頬をかすめていく。その冷たさが、私の内なる絶望を、一層鮮明に映し出した。私は、この呪われた練度から、いつか解放されるのだろうか。

おはようございます