霊の実マイタウンの夏
砂の上を歩くたび、足裏にじんわりと温もりが伝わる。潮風が頬を撫で、どこか遠くから波が寄せては返す音が響いてくる。
青と白のパラソルが、夏の名残を惜しむように影を落とし、その下にはまだ冷たいジュースの入ったグラスが光を反射していた。
椰子の木の向こうでは、小さな屋台から甘く熟した果実の香りが漂う。カラフルな花飾りが揺れ、風鈴がかすかに鳴った。耳に届くその音色は、まるで「また来年も」と囁くようだ。
私は弓を肩にかけ、静かに深呼吸をする。もうすぐ夏は終わる。それでも、この町の空と海は変わらずここにある。
この景色を覚えていたくて、砂浜に足跡を残す。波がさらって消す前に、胸の中でそっと名前を呼んだ——霊の実マイタウン。