黄金の風が吹く場所
「さて、次はどこへ行こうかな」
郵便局からの帰り道、ウェンディのみるくは471万ゴールドという驚異的な「儲け」の重みを感じながら、アストルティアの風に吹かれていた。
スマホがないからこそ、目の前の景色はいつもより鮮やかに見える。盗み金策で手に入れた素材が、バザーを通じて誰かの装備に変わり、自分の懐には黄金が舞い込んでくる。この循環の中にいることが、今はたまらなく誇らしい。
『今日はもう十分頑張った』 『いや、あの新しい光のハンマーを試してみたい』
心の中の言葉(インナーワード)たちが、楽しげに議論を交わしている。かつての自分語りに溢れた叫びは影を潜め、今は自分のペースで、自分の幸せを噛みしめる「余白」がそこにはあった。
「よし、一回だけ。新しいハンマーの重さを確かめに行こう」
彼女は軽やかな足取りで、再び職人ギルドへと向かう。火花の匂いと、会心の一撃が放つ高音。そのすべてが、彼女にとっての「最高のご褒美」なのだ。