
「4分33秒」というタイトルの曲があることを御存じでしょうか。
アメリカの作曲家、ジョン・ケージが作曲したものです。
演奏時間はタイトル通り4分33秒。
この曲には非常に大きな特徴があります。
たとえどれほど音楽への関心が薄い人であっても、楽譜を見れば一目でわかるでしょう。
この曲の楽譜には、何もありません。真っ白です。
「4分33秒」は、4分33秒の間一切の演奏をしない曲です。
なぜそんなものが曲とされているのか。それは、この曲がケージによる「沈黙」を表現する音楽だからです。
ケージは「沈黙」を「無音」ではなく、「意図しない音が起きること」であると主張しました。
そのため、4分33秒は正確には無音の音楽ではなく、4分33秒の間に起こる様々な音を聞く音楽なのです。
人の息遣い。席を立つ音。歩く足音。服が擦れる音。雨の音。風の音。
聴衆のざわめきさえも、4分33秒においては音楽となるのです。
某テレビ番組などで紹介され、おふざけの音楽のような扱いをされることもあるこの曲。
ですがケージは決してふざけてこの曲を作ったわけではありません。
ケージが無音室に入った時、本来あるべき沈黙の中でも聞こえてくる音への気づきと感動を表現したのがこの「4分33秒」なのです。
この世界には多くの音が溢れています。
大きい音。小さい音。高い音。低い音。澄んだ音。濁った音。
そうした様々な音に気付いた先達によって、音楽という芸術は作り上げられてきました。
あなたの好きなあの曲もその曲も、自然と存在する音に気付いた人がいなければ作られることはありませんでした。
ただそこにある音を聞く曲、「4分33秒」。
あなたも少しだけ、耳を澄ましてみてはいかがでしょう。
という蘊蓄はおいといて。
目標としていた4分33秒をついに出すことができました!
4分34秒を出してからあと1秒縮められる走り方を見つけたのが始まり。
それから何度も何度も何度も繰り返しコースを走り続ける毎日。
その「はず」が間違っていなかったと証明できたことを嬉しく思います。
ほとんどミスをせず、時計にも好かれてようやく出せたタイム。
これ以上は私には無理でしょう。
バトルにせよ何にせよ、自分ができそうだと感じたことができた時は本当に嬉しいものです。
できない時も同じくらい嬉しいのですけどね。できない理由をしっかり見つけられたのであれば、それはやり切ったと言える訳ですから。
ドルボードレースもあと1日。
後はタイムを気にせず楽しみたいと思います。
……さて、私が生きられるのもあと10日。
ヤツを倒せるという私の読みの方は果たしてどうなるのやら。