「どうしたんだね? キョロキョロして」
「すみません。意外とコインがあるんだな~と思って」
「あはは、それはそうだよ。当たり玉=その景品だからね」
「なかなか引いても当たらなくて……」
「そうかそうか。君は元冒険者だから引いたことあるんだね?」
「ええ、まあ……」
「ここは冒険者が一番立ち寄るところだと自分でも自負してうるんだけれど他の大陸よりも福引きを引く冒険者の
数が多い分、当たりにくいと考えられるかもしれないね」
「分母が大きい分、あたりが出る回数は少ないっていうことか……」
「まあ、そういうことだと思うよ。当たり玉の数が操作されているとでも思っていたかな?」
(ギクッ!!)
「図星かな?」
「……内心ちょっと……^^;」
「まあ、そう思われても仕方ないかな」
「あはは……」
「ではまず、一連の流れを説明するよ」
「はい!
その時、宿屋のロビーあたりからザワザワとした雰囲気が二人に伝わってきた。
「ん? 混みはじめてきたかな?」
「かもしれませんね」
「よし、では説明は手が空いてからにしよう」
「はい!」
「今回は私がやっておくからちょっと様子を見てきてくれないか?」
「はい!」
私は倉庫をあとにし、ロビーへ向かいました。
そして周囲がザワつく原因を目の当たりにしたのです……。
つづく