アストルティアの花と風景を紹介する記事を書いています。今回は、アラハギーロ地方、アラハギーロ王国についての記事を書いていきます。
初めてアラハギーロ地方に足を踏み入れる時は、リャナ荒涼地帯からになります。
国境の峠を越えると、そこは砂漠地帯。
植物はありますが、緑の勢いは弱く、花をつけているものは見当たりません。
その代わり、初めてアラハギーロ地方を訪れる者を出迎えてくれる奇跡のような絶景が、ここには広がっているのでした。
鏡のように風景の全てを映し込む、神秘的な砂漠の湖です。
水深はごく浅く、まるで水の上を歩いているような気分を味わいながら、中程まで歩いて進むことができます。
アラハギーロ地方は夜空に星が多く、湖面に映して眺めれば、忘れ得ぬ程の美しさを堪能することができます。
砂漠であまり植物がないためか、アラハギーロ地方は遺跡らしい構造物が目につきます。
湖の中央には不思議な井戸のようなものが、まるで祭壇のように仕立てられており、夜景ではシルエットが微かに見えるだけですが、遥か天まで届いていそうな不思議な塔も近くに聳えています。
更に、もう少し先のデフェル荒野には、ピラミッドと呼ばれる王家の巨大な墳墓があります。
そんな砂漠を統べる国、アラハギーロ王国は、砂漠のオアシスを中央に持つ宮殿を構えています。
オアシスのまわりには、ヤシの木やパンヤソウといった、いかにもオアシスのほとりにふさわしい緑の植物が植えられています。
そして、オアシスに面して、王宮にも比肩する規模を誇る建造物が作られています。
それが、アラハギーロ王国の名物である、モンスター格闘場です。
アラハギーロ王国には、かつて伝説のまもの使いと言われる人物が居たとのこと。
暫く前に、魔王の軍勢との戦争が起き、その時の災厄の後遺症により、民は以前の記憶をことごとく失ってしまったと言うのですが、それでもそうした民の慰撫のため、王自らが主宰するモンスターの格闘を開催していると、謁見の際に王そのひとから聞かされます。
ところが…、
招かれて実際に見た格闘は、民のための娯楽というより、むしろ、魔物たちに苦痛と残酷な死を与えることが目的なのでは、と思わせるような内容でした。
観衆は熱狂しており、砂漠の民の気質はこれ程に血の匂いを求めるのか…と思ってしまいそうになったその時、「可哀想だ」と叫ぶ声を聞くのです。
王国でただ1人、セラフィという少女だけは、王に魔物達への慈悲を求めたのです。
群衆からの非難の声にも負けず。
のみならず、彼女は捕らわれている格闘場の魔物達を救出すべく、行動を起こすと言うのでした。
そんな彼女を放っては置けません。
救出作戦を手伝うことになり、次回はジャイラ密林に向かうことになります。