アストルティアの花と風景を紹介する記事を書いています。
今回は、ジャイラ密林、大樹の根元、ムルードの岩山について紹介する記事を書いていきます。
岩山のトンネルを抜けると、砂漠地帯を見慣れた目には、にわかに信じがたい風景が一気に広がります。
岩山に囲まれた盆地のような地形のジャイラ密林、そこには豊富な水と深い森、そして遺跡らしき建造物がありました。
中央の湖に浮かぶ神殿か巨大な祭壇のようなものや、傾いて今にも樹海の底に沈み混んで行きそうな石塔を見れば、隣接するアラハギーロ地方の建造物とは明らかに様式が異なります。
どうやら既に滅びてしまった、アラハギーロとは別の国が、ここにはかつてあったようです。
さて、ストーリーの中で、最初にここに来た理由ですが。
それは、アラハギーロ王国で出会ったセラフィという少女を手伝うためでした。
彼女はモンスター格闘場に捕らわれている魔物達を哀れみ、彼らが殺される前に何とかして逃がしてやりたいと言います。
そして彼女は、こんなにも魔物達が気にかかるのだから、記憶を失う前の自分はまもの使いだったのではないか、と考えていました。
まもの使いならば、相棒の魔物がいるものです。
その相棒についても、彼女には心当たりがあると言うのでした。
ジャイラ密林の最奥地にある、大樹の根元です。
ここにいたのはまさしく彼女の相棒でした。
片目に傷、黄色ではない白い毛並みと、特徴の多い外見を持ったキラーパンサーです。
相棒と再会できたセラフィは、私や彼と力を合わせて格闘場の魔物達を逃がすことに成功します。
そして…。
救出作戦を進めるうちに、彼女は以前の自分についての記憶を取り戻していきます。
それは同時に、戦争の際に起きた真実を思い出すことでもありました。
彼女とチョメ(相棒のキラーパンサー)は、確かにまもの使いと相棒でした。
ただし、まもの使いだったのは彼女ではなくチョメの方だったのです。
チョメの本当の名はカレヴァンと言い、アラハギーロ王国に仕えるまもの使いの一人でした。
同僚で兄弟子でもあったというまもの使いが、ベルムドという男です。
このベルムドこそは、偽りのアラハギーロ王国で王を名乗り、異様なまでに格闘場の魔物を憎み虐げていた人物です。
その理由も判明します。
戦争の際に、ベルムド配下の魔物達は、最前線に投入され、人間達の盾にされ使い捨てられていきました。愛する魔物達への仕打ちに憤ったベルムドの激しい悲しみと復讐心を、魔王軍が利用したのです。
魔王の使いはベルムドに偽りのアラハギーロを与え、ベルムド配下の魔物達を人間の姿に、アラハギーロの兵士達を魔物の姿に変えたのでした。
真実を暴かれたベルムドは、自らも魔物の姿となってなおも復讐を続けようとします。
已む無く彼を倒すことになりますが、その結果セラフィは王国の民から恨みを買ってしまうことになるのでした。
王国に居づらくなったセラフィは、騒ぎが一段落した後に、ムルードの岩山でかつての自分について話してくれます。
彼女はもとはホイミスライムでした。
カレヴァンの相棒として間近でよく会っていたので、ベルムドのことを良く知っていたのです。
だからこそ、たとえ記憶を失っていた状態でも、本当は誰よりも魔物を愛していた筈のベルムドが、魔物を憎む様子に強い違和感を覚えたのでしょう。
そんな彼女は、たとえ恨まれても、王を失ってしまったアラハギーロの民をなおも気遣い続けていました。これ程までの優しさは、一体どこから来るのでしょうか。
生まれついての癒し手、ホイミスライムだったからでしょうか?
彼女のそんな優しさは、そして、もと魔物だったアラハギーロの民のみならず、相棒のカレヴァンにも向けられていました。
次回は、再びジャイラ密林、そしてクドゥスの泉についての記憶を書く予定です。