アストルティアの花と風景を紹介する記事を書いています。
今回は、レンダーシア(内海)編として、ナシームの洞窟についての記事を書いていきます。
アラハギーロ王国を巡るストーリーが進むと、真のアラハギーロ王国の主、ムーニス王から、行方不明のまもの使いカレヴァンを探して連れ帰って欲しいと依頼されます。
カレヴァンの家族が、帰りを待っている。
その事を知ったカレヴァンとセラフィは、何としても真の世界に戻ろうとします。
しかし、二人にとっては、2つの世界を行き来するのは容易なことではありませんでした。
色々と情報を集めるうち、先の魔王軍との戦争で捕虜になった兵士達が、ナシームの洞窟という場所に連れていかれたことが解ってきます。
彼らは魔物の姿に変えられ、偽りのアラハギーロに送られていました。
ならば、彼らを偽りの世界に転送した仕掛けが、そこにあるかもしれない。
という結論にたどり着いた二人と私は、ナシームの洞窟に向かうことになります。
ナシームの洞窟は、アラハギーロ王国の一隅にある流砂の底に広がっている地下空間です。
洞窟の天井が所々崩落しているため、内部は意外と明るく、思いがけず色々と植物を見つけることになりました。
桃色の花をつけた、小ぶりな柱サボテンや、
緑色がかったレモン色の花をつけた、大きなウチワサボテンもありました。
更には、こんな不思議な姿の植物も。
これらの植物は、いずれも砂漠らしい植物であり、そして、この場所にしか見られない固有種のようです。アストルティアの砂漠地帯でも、砂漠ごとに固有種のサボテンが見られますが、レンダーシアの砂漠もまた固有種のサボテンを見せてくれました。
ナシームの洞窟の底は、暑さや強すぎる日射しが程好く遮られ、これらの植物の生育には地上よりもいっそ好適なのかもしれません。
さて、そんなナシームの洞窟内を探索すると、推論通りそこには2つの世界を行き来できる特別な旅の扉がありました。
但し、それは既に魔王軍にとっては用済みの装置であり、私達が見つけた時には、まさにそれが消されてしまうところでした。
二人は急いで旅の扉に飛び込みます。
…と、思ったその時でした。
なんと、セラフィが立ち止まったのです。
結局、カレヴァンだけが真の世界に戻ることになりました。
消えてしまった旅の扉の跡で、セラフィは語ります。カレヴァンは家族の元に帰らなければならない。
でも、自分は偽りの世界のアラハギーロの民を見捨てることはできないと。
カレヴァンが帰還を躊躇うことがないよう、最後までセラフィは自分の決意を隠していたのです。
セラフィからは、自らの思いを綴った手紙を託されます。
短く、拙いながらも真心のこもった彼女の手紙に、カレヴァンは涙します。
自分は偽りのアラハギーロの民を守る。
あなたは、家族を大事に。
カレヴァンに誓ったセラフィは、その後も偽りのアラハギーロの民を守る為に奮闘を続けます。
その為の努力には驚嘆させられるものがあります。
もとは魔物であった彼女は、出会った頃には文字を読むこともできませんでした。
それが、まずはカレヴァンに手紙を書くため文字を覚え、更には、偽りのアラハギーロを襲った呪いによる災いを払う方策を立てるため、難解な専門書を駆使するまでになるのです。
そんな彼女の努力は、やがてアラハギーロの民を少しずつ動かしていきます。
ベルムドの一件から疎まれていた彼女は、徐々に信頼を勝ち得てゆき、遂には皆に請われて偽りのアラハギーロ王国の新しい導き手になるのです。
そんなセラフィからは、3つ目の蝶、パピヨンブレスを贈られました。
謎の旅人クロウズの言葉通りであるならば、3つの蝶が揃ったので、閉ざされていたグランゼドーラに至る門が開かれる筈です。
次回は、再び三門の関所に立ち戻り、グランゼドーラ門が開くところからの記事を書く予定です。