アストルティアの花と風景を紹介する記事を書いています。
今回は、レンダーシア(内海)編として、サザミレ草原とナルビアの町についての記事を書いていきます。
飛龍を得て空を往けるようになった私は、ペガサスを求めて故郷のエテーネ島に赴きます。
探索は、すべての起点である故郷の村跡から。
…と、思った通り、これからなすべきことを知ることができました。
私に竜笛を託したクロウズが、カメさまと一緒に待っていたのです。
クロウズ曰く、カメさまこそが探し求めるペガサスであり、元の姿を取り戻すためには、テンスの花が必要とのこと。
あの滅びの日に、清き水の洞窟奥に咲いていたテンスの花は失われています。しかし、新たなテンスの花を得る手がかりが、エテーネ島のどこかにあるとクロウズは言います。
手がかりは、エテーネ島のどこかに。
…故郷の島の、まだ、足を踏み入れたことのない場所に、これから行ってみることになります。
村跡を出て、育みの大地を抜け、名もなき草原を突っ切ると、清き水の洞窟入り口があります。
かつては、ここまでがエテーネ島で行ける全てでしたが、実は、清き水の洞窟入り口の近くにはもう1つ、もっと先に行けそうな隘路がありました。
以前にテンスの花を探しに来た時にも気になったものの、完全な闇に包まれたその先に行ってみることはできませんでした。
ですが今回来てみると、何故か通路の闇は払われ、先に行けるようになっていました。
通路の先には、良く知るエテーネ村近くの風景と似ていながら色々異なる風景が広がっていたのです。
通路の先は、サザミレ草原という草原地帯でした。
エテーネ村付近と一番異なるのは、海が見えることです。
海が荒れていなければ、砂浜からは容易に海に出られそうです。
小高い丘の上には、様々な色をした小さな祠も見えることから、エテーネ村周辺よりも人の営みの気配は強く感じられました。
人の営みの気配と言えば、足元の草花にも感じられます。
良く見ると、足元に咲く花には見覚えがあるのです。写真左、中央の紫と黄色の花は、ドワチャカ大陸のガタラ原野やモガリム街道に咲く花によく似ています。写真右のクリーム色のデイジーのような花も、ガタラ原野の花に似ており、遠い昔にこの地へ持ち込まれたのではないかと考えられます。
但し、デイジーのような花は、ガタラのものより草丈が高く、更に茎が枝分かれして同時に幾つも花を咲かせる「スプレー咲き」になっているのが特徴的です。もしかしたら、持ち込まれた花が土地に馴染み、新たに固有の姿になる程の時間が経っているのかもしれません。
エテーネ島の外から持ち込まれたと見られる植物は、これらドワチャカ大陸産の草花の他にも、写真左上のアザレアに似た花をつける灌木があり、これはウェナ諸島産の植物に似ています。
このような、エテーネ村周辺とは異なる植生を示すサザミレ草原を抜けた先には、予想通り人が集う場所がありました。
ナルビアという名の町です。
ナルビアの町は、規模は小さめですが各種設備は良く整備されており、人々の暮らし向きにも余裕が感じられます。
街中にはレンドアやラッカランでも見られる生け垣植物が植栽されているほか、主にウェナ諸島産の植物が多数植えられて鮮やかな彩りを添えています。
町の住民の話を聞くと、やはり最近ひどく海が荒れるようになる前は、レンダーシア大陸や外海の五大陸とも人の往き来は盛んだった様子です。
テンスの花の手がかりを求めてやって来た私は、久しぶりに出会うウェナ諸島の花に誘われるように、とある路地に足を踏み入れました。
路地の奥は袋小路。
そのどん詰まりの民家で、私は思いもよらぬ形で探しものの消息を掴むことになります。
なんとその家のかつての主は、腕利きの錬金術師だったというのです。
装備品を強化するタイプの錬金術ならば、レンダーシアにはランプとツボの2つのギルドがありますが、そのどちらにも属さない、いわゆる本物の「錬金術師」には、私はこれまで出会ったことはありません。
物質を変質させ、あらたな物質物体を錬成する、そのようなタイプの錬金術師が、少なくともかつて1人は実在した。
そのような錬金術師が稀有の存在だからという以外にも、私にとってはこれは看過できない重要な情報でした。
何故ならば、他でもない、私の兄弟が目指していたのが、素材とは全く異なる錬成物を産み出すタイプの錬金術師であったからです。
錬金術師の消息を辿っていけば、あの滅びの日を境に消息不明になってしまった、私の兄弟の手がかりが、もしかしたら見つかるかも知れません。
次回は、スレア海岸とマデ島についての記事を書く予定です。