アストルティアの花と風景を紹介する連載記事を書いています。
ストーリーの進行に沿って、初めて見る植物や、風景を紹介していきます。
今回からは、ナドラガンド編の記載を開始します。
奈落の門の封印を解いて、踏み込んだ未知なる世界、ナドラガンド。
本当に、異界に来てしまったのだと、否応なしに実感させる光景が眼前に広がっていました。
黄昏時のようにほの暗い空は、まるで炎に焼かれているかのように赤く、大地にはそちこちに溶岩の池があり、迂闊に踏み込めば火傷するほどの熱を蓄えています。
それだけでも充分に異界らしい光景ですが、更にこちらの度肝を抜くのは、あたりに見られる植物でした。
これほどの灼熱をものともしないどころか、むしろ、この熱、あるいは溶岩そのものを糧としているかのような、驚異の植物たち。
1枚目の写真の植物は、筒型の花の先から、時々勢いよく炎を吹き出しています。
こちらは根元で時折見つかる素材の名前から、恐らく巨竜樹という、この世界の樹木と思われます。
こちらも大地の熱をものともしない、むしろ好んでいるかのようでした。
アストルティアのものとはあまりに違う風景や自然に圧倒された私ですが、実際に初めてやって来た折りには、ゆっくりあたりの光景を見渡す余裕はありませんでした。
来たばかりの私目掛けて、何やら黒く禍々しい姿をした鳥のようなものが襲いかかって来て、私は大火傷を負ってしまったのです。
荒野に倒れていた私は、アペカの村という竜族の村で目を醒まします。
助けてくれたのは、エステラという名の若い神官でした。
彼女がアペカの村を訪れたのは、魔炎鳥という恐ろしい怪鳥に村が襲撃されており、救援要請があったからだそう。私を襲ったあの黒い鳥が、まさしく魔炎鳥でした。
色々と取り込み中の村に、はからずも入り込んでしまった格好の私ですが、村人達にとっての私は初めて見る異形の存在です。
神官エステラの取りなしがなければ、到底受け入れては貰えなかったでしょう。
ナドラガ神の祠で祈りを捧げて恭順の意思を示し、ナドラガ神の加護を受けることで、漸く客分として認めて貰えるようになりました。
アペカの村の程近くに、ナドラガ神の祠があります。祭壇からは巨大な竜の姿の岩がよく見えます。
この巨大な竜の岩が、まさしくナドラガ神の頭だと聞かされ、私は大いに驚くことになります。
祈りを捧げた私の様子を静かに見守っていた神官エステラは、それから、ナドラガ神と竜族の絆について話してくれました。これほどの過酷な世界で竜族が生きて行けるのは、ナドラガ神の加護あってのこと。
しかし、今はその加護が弱まり、竜族は様々な災いに苦しめられていることも…。
誘拐されたアストルティアの神の器達の捜索及び救出のためにやって来た異界、ナドラガンド。
アストルティア出身者にはかなり過酷な環境下で、更に深刻な災いまで頻発しているとあっては、この先の困難は容易に想像がつきました。
そもそも、誘拐されてこちらへ拉致されたのは、4人だった筈なのに、更にあと2人、探さなければならなくなっていたのです。
奈落の門を開けたその時、なんとマイユにダストンまでが、一緒にこちらへ来てしまったのです。
しかも、エステラも村人も、誰も2人を見かけていないとのこと。
もとより捜索予定だった4人を含め、この時点で手がかりは何もありませんでした。
何とも頭の痛い状況でしたが、こちらの世界の有りようを調べながら、ともかくも探していくしかないようです。
次回の記事では、炎樹の丘、煉獄の谷についての記事を書く予定です。