アストルティアの花と風景を紹介する連載記事を書いています。ストーリーに沿って、初めて出会う花や風景を紹介していきます。今回は、烈火の渓谷(南側)、業炎の聖塔、円盤の遺跡についての記事を書いていきます。
アストルティアの神の器達を探すためにナドラガンドに渡った私は、竜族の救済を目的として活動するナドラガ教団と連携して、現時点で5つに分断されているというナドラガンドを1つに繋ぐべく、活動することになりました。
現在地は炎の領界と呼ばれるエリアで、その名の通り大地も空も炎と熱に支配された灼熱の世界となっています。
聖都エジャルナを挟んだ反対側、赤熱の荒野と呼ばれるエリアにも、灼熱の世界にも関わらず意外と多くの植物があり、しかも旺盛に繁茂している様子に驚かされましたが、こちら側、烈火の渓谷にも、このエリアに固有の植物が見られます。
カルサドラ火山に近いエリアには、溶岩の雫のような赤い実を宿した樹木があるのみですが、火山から離れた業炎の聖塔に至るエリアには、写真にあるような2種類の植物が点在しています。
写真左側の植物は、大きなアザミの仲間に似た姿をしていて、花からたくさん火花を飛び散らせていて据え置き花火のように見えます。
写真中央やや右の植物は、更に大型で、花の芯から勢いよく炎を噴き出しています。いずれも、大地の熱をものともしない、むしろ炎や熱を糧とし、あるいはそれらを産み出しているのではないかとすら思わせる、凄まじいエネルギーを秘めた植物達です。
領界を繋ぐための試練の場、業炎の聖塔は、烈火の渓谷の奥地、溶岩池の中に佇んでいます。
最初の試練は入り口の封印を解くことで、既に先行している神官トビアスによって解かれていましたが、塔の上階に至る通路は更なる封印が施されており、これに行く手を阻まれていたのだそうです。
解除の条件は、水の中に置かれた燭台に炎を灯すことです。普通の炎や呪文では通用しませんでしたが、エステラがカルサドラ火山で聖鳥から授かってきた奉炎のトーチの炎を移すことで、ようやく封印の解除に成功したのでした。
そして、最上階に待ち受けていたものは…
炎の力をその身に漲らせた、巨大な鎧のような姿の番人でした。
領界同士を繋ぐためにはこの番人を倒さねばなりませんが、単身で先陣を切った神官トビアスは返り討ちにあってしまいます。
エステラが彼を救護し、私が試練の番人と戦うことになりました。
そして、試練の番人を倒すと。
番人が封印していた解錠の円盤が現れました。
エステラによれば、すぐ近くの円盤の遺跡に、円盤が収まるような台座があるとのこと。
エステラの言う遺跡の台座に円盤を嵌め込むと、遺跡の先端に佇む女神像が掲げる円環から光が溢れ、炎の領界の赤い空を貫いて行きました。
こうして、ついに、隣の領界と繋がる通路が開通したのです。
エステラは確信を得た様子で、私をナドラガンドが待ち望んだ存在、解放者である、と宣言しました。
異界の者である私ばかりか、同僚である筈のエステラにも反発していた神官トビアスは、宣言を聞いて意外にも恭順的な態度を示して来ました。
彼はエステラ同様、ナドラガンドの災厄によって孤児となった身を教主に救われ、以来一途な忠誠心に突き動かされているようでした。自ら解放者となって教主に尽くしたいと願っていた筈ですが、それが叶わぬと決まった今、他ならぬ教主の意思に沿うべく、自らの思いを飲み込んだようでした。
炎の領界と隣り合うのは氷の領界であるとのこと。
教団員数名による先行調査の結果を待って、私も氷の領界に向かうことになりました。
この時…
炎の領界から、ようやく他の領界に行ける、そのことにまず安堵していた私ですが、後々、不思議に思うようになりました。
そもそも何故、ナドラガンドは分断されているのでしょう。
最初は、ナドラガンドを覆う正体不明の脅威「邪悪なる意思」の仕業なのかと思ったのですが、炎の試練の番人が残した言葉に違和感を覚えたのです。
番人は、自らを「怒れるガズバランが打ち込みし楔」と言っていました。
何故ここでガズバランの名が出て来るのでしょう?
ガズバラン、即ちアストルティアの種族神の1柱。
ならば、楔を打ち込むと言うと、領界分断はアストルティアの神の意思という意味にも取れてしまう気がしたのです。
でも、ならば何故そんな仕打ちを?
…生じた謎を解き明かすには、この時の私には圧倒的に情報が足りませんでした。
いずれにせよ、当初の目的を果たす為には、領界同士を順繰りに繋いでいき、捜索をしていかなければなりません。
次回からは、氷の領界編を開始する予定です。