アストルティアの花と風景を紹介する連載記事を書いています。ストーリーに沿って、初めて出会う植物や風景を紹介していきます。
今回は、氷の領界編として、カーレルの氷雪洞、白霜の流氷野、氷晶の聖塔についての記事を書いていきます。
アストルティアから誘拐された神の器達を探すため、ナドラガンドに渡った私は、ナドラガンドの救済を目指すナドラガ教団と手を組み、現状では5つの領界に分断されているナドラガンドを1つに繋ぐ手助けをすることになりました。
最初に降り立った炎の領界と、隣接する氷の領界を繋ぐことに成功し、新たに氷の領界で捜索を始めるとすぐに捜し人の1人であるダストンを発見しました。
ところが彼は、竜族の村の危機を救う者と見なされて村に軟禁状態になっており、解放して貰うためには村の危機を救う儀式に参加せざるを得なくなっていました。
ドワーフ族は緑色の肌をしていますし、たまたま落下した恵みの木に咲いていた花が頭にくっついてしまっていたりと、彼が村人に待ち望まれていた救世主「緑の者」と思われてしまうのは、ある意味無理もなかった、かも知れないのですが…。
それでも、彼がこの場に現れなければ、村に救いはなかったのではないかと思います。故に、彼もまた緑の者だった。そう、言えなくもない。
一件落着してから、そんな風にも思いました。
儀式に必要な極光の魔鉱石を手に入れて村に戻って来ると、肝心のダストンが居ません。丁重なもてなしが余程気に入らなかったか、逃げ出してしまったようです。
村人に頼まれて捜索に加わりましたが、私には思い当たる行き先がありました。
アヴィーロ遺跡に赴く少し前、少々風変わりな少女がダストンに会いたいと村長宅を訪れたものの、門前払いされたのを見かけていました。少女は名をリルチェラといい、村の外で1人で暮らしているのだそう。
身を隠すなら、その子の住みかかも、と捜しに行くと案の定でした。
実はダストンと最初に遭遇したのはリルチェラだったこと、初対面ですぐに意気投合したふたりでしたが、程なく村人に見つかり、救世主「緑の者」と思われたダストンが連れ去られて以降会えずにいたことを聞かされます。
更に、リルチェラは触れた相手から生気を奪ってしまう力を持っていて、そのため村人に恐れられ、幼い身で村の外で一人暮らしを余儀なくされているのだということでした。
そんな彼女をすっかり気に入っていたダストンは、窮屈な村のもてなしから逃れて彼女に会いに来ていたのです。
…が、いくらもしないうちに、村人に見つかりダストンは儀式の舞台に連れていかれてしまうのでした。
凍りついた恵みの木の前で、極光の魔鉱石を手に祈れば良いと言われて、ダストンが渋々その通りにしてみますが、何も起こりません。
…と、思ったその時、恵みの木のツルがダストンをさらって地下に引き込んでしまい、ダストンの悲鳴が聞こえてきました。
明らかにこれはおかしい、と、リルチェラの案内でダストンを救出するべくカーレルの氷雪洞を通って恵みの木の真下へと急ぎました。
ダストンは恵みの木の根元までも引き込まれていました。
そして、恵みの木を凍らせ、更には意のままに操って復活の儀式を妨害していた魔物も潜んでいました。
白銀の悪魔の異名を持つその魔物、フロスティを倒した際、死に際の反撃を食らったリルチェラはダストンもろとも底なし穴に落とされてしまいます。
と、その時。不思議な緑の光が二人を包み、そのまま二人は洞窟の外まで飛び出します。
…それは、リルチェラの本当の力が覚醒した瞬間でした。
触れた相手から生気を奪う力、それは、恵みの木にもしものことが起きた時、集めた生気を使って恵みの木を救うための力でした。リルチェラこそが、真の「緑の者」だったのです。
真実を知った村人達はリルチェラにこれまでの仕打ちを詫び、村長の申し出によりリルチェラは村長宅に迎えられることになりました。
かくて、村の危機を救う手助けができた私は、氷の領界と、更に隣接する領界を繋ぐ試練に挑むべく、白霜の流氷野に向かいました。
白霜の流氷野は、途中まではとこしえの氷原と地続きの陸地で、途中から流氷に埋め尽くされた海になっているようです。とこしえの氷原と同じ草があるのが陸地と島、ないのが流氷の上であるようでした。
いざ、踏み込もうとした、その時…
目の前に、兄弟が姿を現したのです。
この先に進むな。
このまま進めば、いずれナドラガンドで命を落とす。そう告げるや姿を消した兄弟。
来るなと言っていたのは、私の身を案じた為か…
僅かに安堵し、同時に戦慄しながら、それでも私は進むことにしました…。
次回からは、闇の領界編を開始予定です。