アストルティアの花と風景を紹介する連載記事を書いています。ストーリーに沿って、初めて出会う植物や風景を紹介していきます。
今回は、ナドラガンド・水の領界編として、ガイオス古海、深海のほこら、謎の島、天水の聖塔についての記事を書いていきます。
アストルティアの神の器達を探すために踏み込んだナドラガンドで、私は1人また1人と探し人を見つけてきました。
ナドラガンドは5つの領界に分断されていたため、それぞれの領界に渡る道を開きながらの捜索でした。
最初に降り立った炎の領界で出会ったナドラガ教団の協力あってのことでしたが、氷、闇、水の領界に到達するまでには、ナドラガ教団から得ていた情報と実際の現地の状況には、次第に齟齬が目立つようになっていました。
ついには水の領界を統べる組織、青の騎士団とナドラガ教団は決定的に対立してしまい、どうしたものかと思った私の前に、探し人であるヒューザがやってきたのです。
そのヒューザに、話し合いの場として誘われたのはガイオス古海。形を保ったものやバラバラの残骸と化した無数の難破船で埋めつくされた、いにしえの海戦の跡地でした。

拐われた後、ヒューザは辛くも囚われた場所から逃げたものの深傷を負い、倒れていたのがちょうどこのあたり。フィナに救われたヒューザは、声を出せない筈のフィナの心の声が聞こえるそうで、救われた恩もあり、そのまま彼女の専属騎士となって今に至るのだそうでした。
ヒューザはそして、私にナドラガ教団から離れ、青の騎士団と手を結ぶように勧めてきました。
ヒューザは、ナドラガ神を復活させるというナドラガ教団の目的を知った彼女が、何にもまさる絶望を感じたことを察知していたのです。
先だっての会見の際に、青の騎士団団長も言っていました。ナドラガ神こそが、いにしえの災いの原因だったのだと。
それが、本当ならば。このまま全ての領界を繋ぐことは、再び災いを呼び込むことになるのでは。
しかし、まだ、探し人は残っているのです。一体、どうしたものか。
悩ましい思いを抱えたまま、ヒューザとともに、この近くに来ているというフィナを迎えに行くことになった私は、深海のほこら、と呼ばれている難破船の残骸で、「邪悪なる意志」を名乗る人物と相対することになります。

かつてアストルティアから持ち込まれたというマリーヌ神像が見下ろすその場で、邪悪なる意志は持論を嘯いていましたが…
しかし正直、私には理解しがたいものでした。
竜族の世界に様々な災いをもたらしておきながら、それは竜族の救済のためだとか。
竜族は苦しんで罪を償ってこそ救済されるのだとか…。
彼奴は闇の領界の試練の場にも突如として現れ、エステラ共々翻弄されはしましたが、その実、大した妨害もせず姿を消していました。
もしや、私が実在を疑いだした頃合いに、言い訳めいた登場をしたのでは。とすら考えてしまう程、不自然な振る舞いでした。
フィナは襲われて厄介な病原菌を植えつけられ、重体となってしまいます。
彼女の病気を治す特効薬を手に入れるため、私は急遽アストルティアに戻って、レンダーシア内海に浮かぶ謎の島を訪れることになります。

小さな島には草花が繁り、中にはここの固有種も。私の左手に見える白っぽい花がそれです。その他の花はウェナ諸島各地やプクランドにも見られる花達です。固有種が育つ程、長らく孤立した島…かと思いきや何とこの島、実は魔神族と称される、神に比肩する程に強大な伝説の怪物でした。
この場所にもとからあった小島を飲み込み、そのまま居着いているのだとか。
…本当に用があるのは、実はその飲み込まれた島の方でした。フィナのための特効薬が、その島の固有種の虹色ココナツの実なのです。
…ガイオス古海に踏み込んだ際、ナドラガ神の肋骨らしきものを見ていた私は、竜神の腹の中を歩く心地がして気味悪く感じていたのです。が、まさか本当に生きている怪物の腹の中を探索する破目になるとは。
思えばよくも穏便に腹の中に入れて貰えたものです…怪物自身にとっての宝物という、ついでの探し物があったのが勿怪の幸いでした。

無事に薬を持ち帰り、フィナの治療ができたものの、息つく間もなく事態は急転します。
結界が弱まっていた隙をついて、トビアスが単身、天水の聖塔に向かってしまったのです。
試練の戦いでまたも重傷を負ったトビアスを救出するため、やむなく戦闘。するとなんと、続いて神獣カシャルが現れ、襲ってきました。
…カシャルの巫女フィナ。その正体は神獣カシャルでした。
ナドラガ神の復活を阻止すべく、介入してきたのです。
そんな彼女を、竜族全体の救済を阻む者と断じ、殺せと言ったのは、ナドラガ教団の神官長。拒否する私を最早解放者に非ずと宣言し、彼らとの協力関係は失われました。
次回からは、嵐の領界に入ります。