目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

紡ぎし緑の者

アル

[アル]

キャラID
: CS433-198
種 族
: ドワーフ
性 別
: 女
職 業
: 旅芸人
レベル
: 140

ライブカメラ画像

2D動画 静止画

写真コンテスト

{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 

アルの冒険日誌

2026-04-23 00:25:05.0 テーマ:写真活動

『タイトルは、まだない』

 才能なんてない、と少女は何度も心の中でつぶやいていた。



 とっくに気づいていたはずだった。




自分には、人を震わせるような特別なものなんてない。



 なのに机に向かい、夜更けまで言葉を並べ続ける自分に、少しだけ酔っていたのかもしれない。



書き続ける姿そのものを、どこかで尊いと勘違いしていた。



 同じ投稿サイトでは、自分より拙く見える文章が注目を集め、感想欄には惜しみない賛辞が並ぶ。


 そのたび胸の奥が焼けるように熱くなった。
 悔しかった。
 みっともないほど腹が立った。



 それでも少女は、いつか報われる日が来ると信じていた。

 

信じている自分のことが、嫌いではなかった。


 

どうせこの話も読まれない。

 

褒められもしないし、炎上するほど話題にもならない
 

明日になれば、誰の記憶にも残らず、新着一覧の下に沈んでいく。



 それでも、もしこの文章がほんの少しでも届いて、たった一度だけでも、自分の書いたもので食事ができたならと思う。




 一杯の安い丼でもいい。
 自分の言葉で得たその一食は、きっと宇宙でいちばんうまい。





 けれど現実は、そんな夢を容赦なく笑う。




 誰にも読まれない物語なんて、ただの文字列でしかない。



 他人の評価ばかり気にして、流行りの札を自分の額に貼りつけ、読まれそうな題材を選び、刺さりそうな結末を真似る。



 どれだけ頑張ったって結果がなければ、誰も振り向かない。


 題名があっても、知られなければただの記号だ。
だから少女は、新しい原稿の保存名を




「無題」のままにした。




 題名を与える資格すら、自分にはない気がした。




 たぶん、このまま普通の生活が続くのだろう。



朝起きて働いて、疲れた夜に少しだけ書き、誰にも気づかれず眠る。



特別な何かになりたかったのに、自分の中には特別な何かが見つからなかった。



 それでも、昔たまたまもらえた短い感想の熱だけが  古傷みたいに消えず残っている。



 面白かったです、続きが読みたいです。



そのたった一行をもう一度欲しくて、少女は何度も同じ場所へ戻ってしまう。




 人は欲張りだ。




 一人に届けば二人に…。
 二人に届けば、もっと先まで行きたくなる。



 腹は少し満たされるたびに、さらに大きく空っぽになる。




 こんなふうに際限なく求めてしまうのは、自分が弱いからなのだろうか。




 ある夜、少女は書きかけの原稿を閉じようとして、ふと止まった。




 誰に向けて書くのかも、何を伝えたいのかも、もうわからなかった。




 全部やめてしまえば楽なのに、やめる寸前になると、捨てきれない一文が必ず残る。

 


 薄っぺらい表現、ありふれた展開、どこかで読んだような声。

 


それでも、そのありきたりの中にしか掬えない痛みが、自分には確かにあった。





 忘れられて当然の文章だ、と少女は思う。




 消耗品みたいに読み流され、明日には埋もれるだろう。



 それでも最後の一行を打ち込み、初めて保存名を書き換えた。




『タイトルは、まだない』




 送信ボタンを押したあと、静かな部屋には何も起こらなかった。



 世界は変わらない。


 通知も鳴らない。



 けれど少女は、少しだけ空腹に耐えられる気がした


 誰かに読まれなければ文字はただの文字だ。
 それでも、誰かに届いてしまった瞬間、文字はきっと体温になる。




 だからもう少しだけ書いてみようと思った。
 才能がないままでも、題名のないままでも。






  せめて、まだ見ぬ誰かの孤独の隣に、
  自分の文字をそっと置ける日までは。
いいね! 7 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる