むかしむかし、美しいけれど心の醜いお妃がいました。
女王はどんな質問にも答えてくれる魔法の鏡を持っており、
いつも鏡に向かって質問をしていました
「カガミよカガミよカガミさん、この世で一番美しいのはだぁれ?」
「それはこのお方です」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
パリィンッ!
「次の鏡に聞きましょう・・・」
「カガミよカガミよカガミさん、この世で一番美しいのはだぁれ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
鏡のセンスはズバ抜けていました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
女王「キュウ…」
女王はショックのあまり心臓発作で死んでしまいました。
国中の住人は、嘆き悲しみました。
住人達は棺を作り、その中に女王を寝かせました。
棺には「美しい女王」と記しました
「こんなにきれいな女王を、土の中にうめる事なんか出来ない」
そう言って、森の中に大切に保存しておくことにしました。
しかし、森にすむ七匹のコブタたちに見つけられてしまいます。
「棺だ」「棺だ」「棺だ」「棺だ」・・・
「死んでるかな?」「かな?」「かな?」「かも」・・・
「ガラスの棺は無理だけどさ、ふたを開けてお顔を見ようよ」「みよー」「みよー」「みよー」「みよー」
「美しいらしいよ」「ワクワク」「ドキドキ」「ワクワク」「ブヒブヒ」
「・・・誰だ!ブヒブヒって言ったの!」「言ってないよ」「ないよ」「ないよ」「ブヒブヒ」
「言ってないか、では気を取り直して」パカッ
「こ、これは!」「ブヒブヒ」「ブヒブヒ」「ブヒブヒ」・・・
「マトリョーシカだ」「マトリョーシカだ」「マトリョーシカだ」「マトリョーシカだ」
国の住人達の遊び心はズバ抜けていました。
こうして白雪姫は何の事件にも巻き込まれることなく幸せに暮らしましたとさ
おしまい