一昨日の夕飯でのこと。
みそ汁をすするとピリリと来た。
「辛っ!」
お椀を見ると一味唐辛子がたくさん漂っている。
チッ・・・。
親父がまたやりやがった。
何でも一味をかけるうちの親父。
みそ汁にも大量にふりかける。
そして、みそ汁の吸い残しを鍋に戻してやがるのだ。
「帰ってきたら言ちゃっるわ。」
一味うんぬんはいいとして、飲み残しを鍋に戻すなよと。
自分が親父に言うとお母んに伝えていた。
そんなことがあった夜。
インして、ひとりチームクエストに勤しんでいた。
やっていたのは、「モガレの洞窟討伐」
自分はこういった場所でチマチマと狩りをするのは嫌いじゃない。
昔はここに業者がワラワラいて、大きなこうらが目当てか?
キラークラブばっか狩ってたよなあ。
そんなことを思い出しながら、ひとり洞窟を占領して狩りまくる。
モガレの洞窟討伐を終え、
リプレイしていたヘアカラークエストの報告のため、
モガレキャンプへと飛び、美容師見習ロロドちゃんに、
泥くさいこうらを渡していると・・・。
目の前を、金色の黒竜丸にまたがったプレイヤーが走り去る。
こんな序盤のフィールドに場違いなプレイヤーが来たな。
そう思っていると、今度はキラーパンサーにまたがったプレイヤーが走って来た。
またがっているプレイヤーの名前はフレンドだった!
フレンドが自分に駆け寄ってくる。
さっきの金色の黒竜丸の方も一緒にやって来た。
そして、チャットで叫んできた。
「誕生日おめでとう!」
!
時計を見ると、0時をまわって少しだった。
そう、この日はまぎれもなく自分の誕生日。
だが、なぜこのフレンドさんが、自分の誕生日なんか知ってるのだろう?
嬉しさよりも驚きの方が先行してしまう。
「探すの大変だった。」
そう言うフレンド。
サプライズで祝福するため、もうひとりの方を伴って、
わざわざ自分を探すため、モガリム街道を走りまわっていたのだ。
戸惑う自分をよそに、二人が次々と花火を繰り出す。
仕掛け花火に打ち上げ花火、タイミングよく夜。
モガリム街道の夜空に花火が打ち上げられた。
家族よりも誰よりも先に、
ドラクエで、フレンドさんらに祝福されるとは・・・。
5年もプレイしていると、こういった繋がりがなんともいえない。
実際は顔も合わせたこともないのに、
ときに家族よりも近く感じることもある。
フレンドたちの厚意に感激していたら、
そのままお二人に試練ツアーへと誘われる。
自分も別のフレンドをひとり誘って4人で試練ツアー。
しかし初めて対峙する試練ボスも居て、これが強いのなんの。
ゴールデンスライムの色違いのが4体出るやつ。
あれには二度も全滅させられた。
三度目の正直でようやっと撃破。
長いフレンドさんに追い付くことはできなくとも、
弱いなりにも、もうちっと立ち回りなんか学習せんといかんな。
自分が後から誘ったフレンドが積極的な方で、最初のふたりにフレンド申請。
自分も負けじと、祝ってくれたもうひと方へフレンド申請。
試練であんなヘタクソだったのに受けてくださった。
いや~しかし嬉しかった。
まったく、ニクいことしてくれるフレンドだ。
元チームメイトで、付き合いはかれこれ4年くらいか?
本当にありがとうございました。
でもって、これからもよろしくお願いします。
・・・。
自分はあなたの誕生日知らないや。
そんなことがあった翌朝。
日付が変わっていたので正確にはその日の朝。
目が覚めていたものの寒くて布団から出ずにモゾモゾしていた。
すると、お母んが部屋の手前まで来てガラス戸に何か貼った。
「お母さん遅くなるから、晩ごはん食べてきて」
そんなことだろうか・・布団のなかで何を書いているのか考える。
!
今日誕生日だから、なんか祝いのメッセージか何かか?
そういや昨年、自分で買って、お母んも買って、妹まで持ってきて、
ケーキが大量に被ったから、「ケーキはお母さんが買うけん」とか、
そんなことだったりか?
起きて、貼られたチラシを見る。
「お父さんにみそ汁のこと もう言ったき、言わんでいいよ。」
・・・・・。
家族ってこんなもんだ。
帰り、遠回りしてお気に入りのケーキ店まで行って、
ひとり部屋でザッハトルテをむさぼりましたとさ。