まいったね。
ドラクエの音楽聴いてると涙がこみあげてくる。
プレイ中はそんなことないのだけど、
YouTubeやCDで聴いていると、グッとくる。
CDは一枚だけ持ってる。
それを引っ張り出してまた聴きはじめた。
交響組曲ドラゴンクエストⅩ。
もう8年前になる。
アクロス福岡シンフォニーホール。
初めて行ったドラクエのオーケストラコンサート。
ドラゴンクエストⅩの楽曲が演奏された、
その帰りに物販売場で購入したCDだ。
隣にはお嬢様風の小綺麗でおしゃれな若い女性ふたり組。
受付でもらった、他のオーケストラコンサートの
チラシやパンフレットを見ながら談笑している。
会話に音楽家であろう個人名などが飛び出しているが、まったく判らない。
後ろには着飾ったブルジョワマダム二人組。
高級食材の話や、知り合いの食事情など嫌味なくらい大声で会話している。
「ドラクエ見たことないですわね。」
「わたしも見たことないです、人気なんでしょ?ドラクエ。」
そんな会話している、なんだよ「見る」って。
こういうババア達には、ゲームの「(プレイ)する」という概念がないのだろう。
会場の大多数を占める、自分と同じような庶民、
ゲームおたくっぽいおっさんや若者、いかにもな腐女子に混ざり、
そういう場違いなブルジョワ層・・・
いや、オーケストラコンサートにあっては、
自分らの方が場違いなのかもしれないが、
老若男女、いろんな背格好の観客が居たのが印象的だった。
ゲーム音楽のクラシックコンサートとはいえ、
すぎやまこういち氏が、他の音楽活動で既に名を広めていた、
偉大な音楽家であったことが解る。
開演時間。
奏者たちが現れ、各々楽器のチューニングを始める。
それが終わって、少しの間を置き、
袖から、ひょこっと小さなおじいちゃんが現れた。
一斉に巻き起こる大拍手。
!
え!
すぎやまこういちさん!?
ご本人!?
まさかご本人が登場するとは思っていなかったのでびっくりした。
おじぎして指揮台に立つおじいちゃん。
タクトをかざすと、一斉に演奏がはじまる。
序章からスタート。
もう涙がこみあげてくる。
序章が終わると、マイクを握るおじいちゃん。
齢80過ぎとは思えない、聞きやすい口調で軽快なトークがはじまる。
「このなかでドラクエをやったことがある方、お手を挙げてください。」
会場の観客、ほぼ全てのひとが一斉に挙手する。
それどころか、奏者のなかにも手を挙げている方がちらほら。
「おおっコンマスはじめ、オーケストラのなかにも、プレイされた方が!」
すぎやまこういちさんが感激する。
おおっ隣のお嬢様も手を挙げてなさるっ!
到底ゲームなんてやらなさそうな出で立ちなのに・・・!
ちょ・・・テリーが嫌いでハッサン好きなら、
ヒューザ嫌いでダストン好きなら、友達になりたいです!
後ろのババア二人組はもちろん挙手してなかっただろう。
コンサートはドラクエⅩのVer.1の曲がすべて演奏された。
五大陸では、それぞれの風景が目に浮かぶ。
スイの塔や捨てられた城で流れる、和楽器を使ったような音楽も、
きちんとオーケストラの楽器でそれっぽく演奏してあるので凄かった。
この時点で自分はまだネルゲルを倒していなかったので、
終盤の音楽は?だったが、ラストに再度、序章。
会場は大盛り上がりでドラクエコンサートは幕を閉じた。
そんな思い出がよみがえる。
あのとき買った、ドラクエのCDを聞きながら。
みなさんの追悼日誌を読んでいたら、
シリーズの思い入れのある楽曲を挙げてられる方もいた。
自分は10代の頃にⅣ~Ⅵまではプレイしたけれど、
周回プレイしていないので、正直音楽が印象に残っていない。
聴けば思い出すかもしれないが、どんなだったか思い出せない。
Ⅳだけ数年前にリメイクをプレイしたので、
なんとなく覚えているが、モンバーバラの姉妹の戦闘曲が好きだった。
あとはフィールド曲かな。
これはスマブラにも起用されたのではっきり判る。
ⅩはVer.1はどれもオリジナルだと判るのだけど、
それ以降は、どれがオリジナルでどれが過去作の曲なのか判らない。
飛竜にまたがったときの音楽が好きだけど、これもⅩの曲なのか、
過去の曲なのかすら判らない、正直にわかだ。
そんな自分でも、このたびの訃報は堪えた。
在りし日のお姿を偲び、心よりご冥福をお祈りします。