灼熱の太陽が砂漠を焼き尽くす。まるで地獄のような温度の中、メンバー四人はどこかに向かって歩く。
ラビエット「なんで砂漠はこんな暑いんだよ…おいヘヴン!なんで俺らがお迎え役なんだよ!」
ヘヴン「知らないよ…っていうか文句いわないでよ」
アダー「あー!僕達全組織が集合するなんて久しいねー!やっぱりマチュピチュ計画のことかな~!」
ヘヴン「あまり声出さないでよ、一応私達は表向きはなんにも関わりを持ってないんだから」
ラビエット「ならなんで昼なんだよ!夜のほうがバレねぇし暑くないし、一石二鳥じゃねぇかよ」
ギーマ「しょうがねえだろ…じゃねえと総会に間に合わねえじゃねえかよ…」
目的地はウェナ諸島のジュレット近場の密林であった。
彼等は明日の夜までに着くため歩き続ける。しかし体力には限界があった。
アダー「ギーさん?そういえば、あの賊の嬢さんは?」
沈黙に耐えられなくなったのかアダーが口を開き、話題を提供する。
ギーマ「あぁ……彼女は始末しといた。」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
舞台は変わり、真夜中のアラハギーロ。そこにはある1人の女性が観光に来ていた。昼間の暑さとはうってかわって夜中の砂漠は凍える寒さだ。
そんな観光客の女性に話し掛ける影がある。
ギーマ「サラーム!はじめまして!ご機嫌いかが?」
冷え性なのか黒い服を纏い厚着をした褐色の男性が声をかける。
?「あら?案内人?」
ギーマ「いえいえ、ただの占い師でございますよ」
?「なら結構」
女性が早歩きで城のほうへいこうとするが、男性は慌てて引き留める。
ギーマ「あー!ちょ、ちょっと待ちなさいな、嬢さん!体験でいいですから」
?「金はどれくらいかかるの?」
女性はめんどくさそうに質問する。
ギーマ「いつもなら50Gなのですが…体験なので無理でいかがでしょう?」
ギーマは手を差し出すと、女性はため息をつきながら握手をし、自己紹介をする。
ケイミー「ケイミー=シャボン=ホリデイよ」
ギーマ「ギーマ・ハットュと申します、では此方へどうぞ!」
ギーマは路地裏へ進み、下街へ案内する。1分ほど道を進むとギーマは止まり、戸を開け、ケイミーを招く。
赤い絨毯の道を進むと1つのテーブルと椅子がある。ギーマは椅子に座るよう促す。
二人とも席につくと、ギーマは話し掛ける。
ギーマ「さあ!ようこそ、それでは…なにを占いましょう?」
ケイミー「うーん…なんか悩んでることとか当てれたりする?」
ギーマはうつむき、すこし悩むがすぐ顔を上げフィンガースナップし、口を開く。
ギーマ「気になっている男性いるでしょう?」
ケイミーはビックリしたような表情をし、頷く。
ギーマ「その男性に告白したい…ですが失敗するのが、怖い…」
ケイミーはすこし占いを信じることにしたのか感心の眼をする。
ケイミー「えぇ、そう。成功するか教えてくれない?」
ギーマ「いいでしょう…」
そういい取り出したのは易。額に易を置き、賽を投げる。賽の目は四。
ギーマ「男性の名前は…シエルですね、空賊学校の生徒かつ空賊団のメンバー…」
ケイミー「正解よ」
ギーマ「……今のままでは告白は成功しませんね」
ケイミーは驚きと同時にショックを受ける。
ケイミー「…なにをすれば成功するの?」
ギーマ「…ふむ、それではこの石に触れてください、それで運命の道が変わりますよ」
ギーマはマデュライトを懐から取り出す。ケイミーは迷わずマデュライトに指先を触れる。
するとギーマは赤い瞳を露にする。
ギーマ「クク…キサマの望みは叶う」
ケイミーは疑いの眼を向けるが、時既に遅し。
ギーマ「だが…なにかを失う!」
次の瞬間、部屋中が暗闇に包まれ不穏な空気が流れる。無数の赤い光がケイミーを見つめ、包む。
呆然としたケイミーを差し置いてギーマは闇と同化する。