法廷の中に入ると裁判長と対決する魔法戦士がすわっていた。
相手は裁判戦術をよく知っているエリート魔法戦士タックだ。よく噂になる。
裁判長「これよりウォモナ氏の法廷を始めます」
ヴァールハイト「探偵側、準備完了」
タック「国士側、準備完了しています」
裁判長「それでは国士側、冒頭弁論を」
タック「容疑者ウォモナ・アンナはラッカランカジノにて、エリート魔法戦士のアドニスを殺害、以上」
裁判長「…それでは最初の証人を」
ヴァールハイト「(…とうとう始まるぞ、法廷バトルが…)」
現れたのはバニースーツを着た可愛らしい女性だ。
タック「証人、名前と職業を」
グラーナ「グラーナです。職業はカジノの従業員ですわ」
ヴァールハイト「(彼女が第一発見者か…)」
裁判長「それではあの夜の状況を証言してくださいな、」
グラーナ「…承知しましたわ」
【証言『あの夜』】
グラーナ「私はあの夜エレベーター付近のノーズルームを任されていたのです。」
グラーナ「深夜でしたのでお客様は少なかったです」
グラーナ「私がテラスに行ったときは深夜2:24でしたわ」
グラーナ「テラスにはお客様は誰一人居ませんでしたわ」
グラーナ「すこしして、じっとしているのもとうとう飽きてしまったので、ちょびっと歩いたのです」
グラーナ「すると外の中央テーブルに人影がありました、おそらく被害者でしょう」
グラーナ「別におかしいことでは無かったので無視していました」
グラーナ「しかし、5分ほどしてからやはり話したいと思い外にいったら」
グラーナ「なんと人が倒れていたのです…」
グラーナ「私はすぐさま近くの人に助けを求めるよう声をかけました」
ヴァールハイト「異議あり!」
【証明『死亡推定時刻 1:21』】
ヴァールハイト「証人は先程、外の中央テーブルに人影があった…それは被害者だと言いました」
グラーナ「普通そうでしょう?そこで死んでいたんですもの」
ヴァールハイト「いえ、それはあり得ません。確か貴女は、2:24にテラスに来た、そう仰有いましたね」
グラーナ「その通りでございます」
ヴァールハイト「しかし…被害者が殺害されたのは『1:21』なのです…つまりその時既に被害者は殺されたあと!貴女が見たのは被害者ではあり得ないのです」
グラーナ「…言われてみればそうね」
裁判長「それでは証人はなにを見たのですかな?」
ヴァールハイト「今は私にもわかりませんが、おそらく後々判明するでしょう」
タック「…ふむ、では次は死体を目撃した瞬間を細かく証言していただきたい」
グラーナ「…承知しましたわ」
【証言『死体発見の状況』】
グラーナ「私が死体を発見いたしましたのは 2:31 でしたね」
グラーナ「確かいつもは無い岩が転がり弾けたような跡に」
グラーナ「血がかなり跳び跳ねていましたわ」
グラーナ「おそらくジバリカによる殺害でしょう」
グラーナ「私は唖然としてしまい、数秒立ち尽くしてしまいましたわ」
ヴァールハイト「(…この証言に嘘は無さそうだ)」
タック「なるほど」
裁判長「それぐらいですかな?この方の証言は」
グラーナ「私が見たのはこれだけです。」
裁判長「ふむぅ…それでは次の証人を」
タック「次は被告人を召喚する」
法廷に入ってきたのはウォモナだった。
タック「被告人、名前と職業を」
ウォモナ「ウォモナです…職業は空賊です…」
タック「それでは事件当夜の経緯を証言してください」
ウォモナ「…わかった」
【証言『経緯』】
ウォモナ「私はあの夜一階センターホールでスロットを遊んでいたの…」
ウォモナ「エレベーター付近のテラスにも行ったよ」
ウォモナ「私ホントに…なにもしてないよ
」
タック「異議あり!貴女はテラスに行ったことを認めた!貴女はそこで殺したのです!」
ヴァールハイト「異議あり、いいですか?事件現場は二階のテラスです、殺害はできません」
タック「いやいや…できるのだよ。」
ヴァールハイト「?」
タック「ジバリカ魔法というのは範囲内であれば何処にでも設置可能なのだ。例え二階でもね、つまり被害者が二階のテラスに来た瞬間ジバリカを発生させ殺害!」
裁判長「ふむぅ…辻褄はあってますな」
ヴァールハイト「異議あり!」
【証明『複数の刺し傷』】
ヴァールハイト「確かに辻褄はあってます。しかし!死体にあった無数の刺し傷はどうやってつけるのですか?」
タック「…その通りだ。しかしこういう考えもできる。」