バルディスタは、魔界の他の国に比べると、女性の社会進出が進んでいる。
何しろ、トップが氷の女魔王ヴァレリアだからだ。
この国…バルディスタは、完全実力社会なので、女性であっても実力さえあれば、登用される。
(だがゾブリス将軍のようなガイキチも、雇われてしまうのは、ちょっと問題だな…)
中でも、エリート中のエリートが抜擢される、城詰め…ほぼすべてが男性だが、たった2人だけ、女性兵士がいる。
「キスカ」と「カトラ」。
彼女らは、平時は百合のゆの字も見せない、謹厳実直な兵士だが、Ver5.2の期間中…つまりヴァレリア不在の時だけ、不安だったのか、心のうちをさらけだした。
キスカ「今の所 城門は 突破されていないようだが このままでは ジリ貧だな…
国のために 兵士が死ぬのは本懐というものだが……正直言うと カトラにだけは 生き残ってほしいよ。」
カトラ「ウワサで聞いたが あのギャノン兄弟が戻ってきたのか…
愛する者が あのゲスどもになぶられるぐらいなら いっそ 心中でもしたほうが……。
……いや。バルディスタの兵士にあるまじき発言だった。
どうか 忘れてくれ。」