「私がこの村を紹介してあげる」
マイユはそう言い、僕に
着いてきて と言い歩いて行った。
僕はここがどこで何があったのか何一つ解らなかったが、彼女やこの村の鬼が危害を加えたりする者にはとても見えなかった。だから僕は何の躊躇いもなく彼女の後を追った。
ここが教会・・で次にこっちが道具屋・・
彼女が店や施設を教えてくれた。が
でここが武器屋と防具屋ね。
と言ったときは困惑した。一体何と戦うんだ・・?いや、そもそも何のために・・
「武器って何に使うの?」
僕は疑問と不安で堪らなくなって聞いてみた。
「何ってモンスターよ?外に居るじゃない」
彼女は平然と当たり前のように言った。
モンスター・・?僕は何がなんだか余計解らなくなった。
「スライムとかドラキーとか・・」
彼女は指を折りながら
「この村の周りだと10匹位いるかしら。」
と言った。
「えーと、そのモンスターって何で倒すの?食材?」
と僕は平和な方に考えを持っていった。しかし・・
「食材って・・襲ってくるのよ。だから身を守るための武器よ。エラリィ、大丈夫?本当に・・山で何か悪い物食べてしまったの?」
マイユは心配そうな顔付きで僕に向かって俄に信じがたい台詞を言った。
襲ってくるのよ・・その言葉の意味を理解するまで数秒かかった・・
「負傷者とかいるの・・?」
と僕は聞いた。が少し考えると、負傷者がいるから身を守るに、決まってるんだから聞くだけ意味のない質問だと後で気づいた。
「ええ、今月は負傷者12人、死者が二人ね。あなた私が見つけて無かったらもう少しで今月の三人目になるとこだったのよ」
と言ってきた。死者・・まさかここまで深刻とは・・
「もう少しで村王の家ね。私も行って良いのかしら?」
彼女は少し困った顔で言ってきた。そんなの僕が知るわけ無い
「良いんじゃない?」
と言った。正直なとこ言うとあの筋肉王と二人きりで会話とか疲れそうだからマイユがいて欲しかったのだ。
家の前で村王は待っていた。
「おぉ来たかエラリィ。待ってたぞ。ん、マイユ何でお前も?」
「村王様、エラリィは何も覚えてないのよ?この家が何処かわかるはず無いでしょう?だから連れてきたの。」
とマイユは呆れたという口調で言った。
「ああ、それもそうだな。悪い悪い。」
と村王のクリフゲーンは笑いながら言った。案外笑うとこ見てると怖い人じゃないようだ。
「兎に角二人共上がりたまえ。話があるんだ。」
と村王は言い家の中に入っていった。
「これがそのラーの鏡だ。」
村王がそう言うと大きな鏡を持ってきた。
「この鏡は真実の姿を撮すと言われていてな。エラリィに使ってみようと思うんだ。」
「え、エラリィはエラリィでしょう?真実もなにも・・」
マイユは戸惑いを隠せないまま僕を見つめてきた。
「実はワシも信じがたいんだが。昔こういう言い伝えがあってな。」
そう言うとクリフゲーンは前置きのつもりか空咳をし語りだしたのだ・・