「えーとアリスケ・・?」
茜はなんだそれと言った感じである・・
「いや、君知らないのかい?有栖家を」
「えーとアメリカの人ですか?」
「いや、うーん・・困ったな」
「先生、私不思議の国のアリスとアリスインワンダーランドしか引っ掛かりません」
「それどっちも同じだと思うよ?」
「え、あ、そうなんですか?なんか似てるなぁって思ってたんですよ。なるほど同じなんだ」
彼女はコーラを飲み終えると、背伸びをした。はぁ・・こんなのが弟子で大丈夫なのか・・・この娘明らかにおバカキャラ出れるんじゃないかな?まぁ、顔やスタイルは良い方だが・・
「有栖家はこの国でも有数の名家だよ。ほら聞くだろアリス家具屋とか、アリス株式会社とか、」
「ああ、あれですか。あそこの家具どれも使い勝手良かったり可愛かったりで良いんですけど高いんですよね・・」
「で、その有栖からの依頼だよ。」
「なるほど!凄いですね。え、でも一体何を?まさか誘拐とか?」
彼女はワクワクしてるらしい・・
「茜君誘拐だったら普通警察に相談するよ。」
「いや、先生実は有栖家には公に言えない何かがあって警察に言えないんですよ。」
「へぇ、例えば?」
「有栖家の財産は全て社長のあの有栖紀子とか言う人ですが、実は彼女危篤状態で、もし死んだらその莫大な遺産を家族で、分けなきゃならないがそこで揉めてるとか。
有栖家があんな大金持ちになったのは裏にヤクザとか暴力団が、密かに関わってるとか、有栖家に傷が付くとか、実は家に死体を隠してるとか、色々」
発想力だけはあるんだな・・
「あ、そ・・」
最後の死体は無いだろ・・
「先生何ですかあ、そって」
「火山の名前」
「ああ、阿蘇山ですか、って違うでしょう!」
ふむ、のりつっこみ出来るのかこれは飽きなくて良いな。
「まぁ、開けてみるよ手紙」
「おぉ!」
茜は目をキラキラさせている。そんなに気になるのか・・
「えーと何々・・」
[探偵の綾瀬幸助様、突然ですが、ある人を探して欲しいのです。私の名前は伏せておきますがご了承ください。実は数ヶ月前から我が家の長男有栖俊行が、行方不明なのです。必死にメイドや執事を使い探しているのですが見つからずこう探偵を雇うことにしました。こんなことで警察を使うと我が家の名誉に傷がつくため警察には言えないのです。7/23土曜日にこちらに来てくれますか?住所は×××△△△△◇◇◇です。]
茜の言うこと満更間違ってないな・・
「ほら!先生私の合ってるじゃないですか!」
「うん、そうだね」
「ふふん、先生の助手なって良かったぁ。こんな面白そうな事件と会えるんだから」
「茜君、僕は君を助手とは言ってないぞ。」
「え?何々?聞こえなーい」
とぼけてる・・まぁ良いか別に助手でも。
「23って一週間後か」
時間は空いてるな。まぁ、ほぼ毎日空いてるようなものだが。
「ですねぇ。荷物とか、作らないと」
「まてまて、君も来るのか?」
「え、先生私置いて行くつもりだったんですか?」
そりゃこんなバカっぽい娘を連れて「探偵の綾瀬」です。なんて言いたくない・・
「うん。留守にするわけにはいかないだろ?」
「大丈夫ですよ。私の友達に留守番頼みますし。」
友達にそんなことさせるのか・・
「いや、しかしだね・・」
「もうこんな時間!家に帰らなきゃ」
彼女は腕時計を見ると
「先生また明日!」
と言いファミレスから去っていった。最後まで話聞いてくれよ・・時計を見ると時刻は5:50だった。
彼女の家は最寄りの駅から乗車し10分程乗り降りた先のアパートで一人で住んでいる。職場は僕の探偵事務所。給料は毎日の食費で良いと言いうちに来たのだ。どうやら探偵の助手が夢らしく、なって数日は嬉しそうだった。まぁ、話し相手がいるからこっちも暇しなくて良いのだが。
僕は彼女と僕の料金2300円程出して家兼事務所に戻った。
戻る途中で雨が降ってきた。傘持ってきたら良かったな・・
人探しか・・家出か?いや、狂言の可能性もあるな・・等と考えながらこの雨の中走って家に戻った。」
to be continue