~④の続きです。
9. 課金したアイテムの価値を一方的に大きく損なう調整は、消費者保護の観点などから問題にはならないのか?
法的に「問題になる可能性」はあります。ただし、ここはかなり慎重に分けて考える必要があります。
消費者庁から少なくとも**「オンラインゲームの有料アイテムを購入後、運営が一方的に仕様変更して価値を大幅に下げる」という事案は、消費者保護の観点から相談対象になり得ます**。
と明示しています。
一方で、「弱体化した=直ちに違法=返金義務が発生する」ではありません。
今回のDQX・覚醒の鬼神石については、私は「法的にかなり怪しい」と断定する段階ではなく、具体的な販売表示、利用規約、購入時期、弱体化の内容、運営の説明を突き合わせて判断する案件だと思います。
なぜ今回、普通のゲーム内アイテムの弱体化と少し違うのか
ここがポイントです。
覚醒の鬼神石は、単なるゲーム内通貨ではありません。
公式には、
1個 1,320円
4個セット 5,000円
戦神のベルト+5の効果を好きなものに変更
数値は最大値が確定
という明確な有料商品として販売されています。
つまり、
現実のお金 → 鬼神石 → ゲーム内の戦神のベルトの特定性能
という直接的な経済関係があります。
しかも、今回問題になっているのが単なる「ゲーム全体のバランス調整」ではなく、鬼神石を使って作ったベルトの性能を活かす重要な戦術であるAペチのダメージ上限を大幅に引き下げるというもの。
ここが「課金したものの価値を後から大幅に変更した」という問題につながります。
消費者庁がオンラインゲームを問題にしているのは事実
消費者庁は、オンラインゲームについて専用の**「オンラインゲームに関する消費生活相談対応マニュアル」**まで作っています。オンラインゲームへの課金をめぐる消費者トラブルを扱っており、単なる「ゲームだから自己責任」という扱いではありません。
また、DQX側も2023年に改正消費者契約法の施行に伴って利用規約を改訂したことを公式に告知しています。
したがって、
「ゲーム内のことだから消費者法は関係ない」
という話ではありません。
特に重要なのが「利用規約に書いてあるからOKなのか?」
ここは非常に重要です。
仮にDQXの利用規約に、
「ゲーム内のアイテムの性能は当社の判断で変更する場合があります」
という趣旨の規定があったとしても、それだけで何をしても合法になるわけではありません。
消費者契約法には、事業者と消費者の契約について、一定の場合に消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする規定があります。
なので、
「規約に書いてあります」
↓
「だから課金アイテムをどれだけ価値下落させても問題ありません」
とは単純には言えません。
ここは消費者庁に相談する意味があります。
~⑥へ続きます。