~⑤の続きです。
そして「返金」と「補償」は別問題
ここも消費者庁に相談する際には分けた方がいいです。
① 鬼神石そのものの返金
例えば、
「2026年5月に鬼神石を10個買った。Aペチ強化のために使った。今回の仕様変更で目的を大幅に失ったので、購入代金13,200円を返してほしい」
という請求。
② 代替補償
例えば、
「使用した鬼神石を返してほしい」
「同数の鬼神石を再配布してほしい」
という請求。
③ 課金したベルトの価値下落への補償
これはさらに別。
「鬼神石そのものは使ったので返せないとしても、その結果として作ったベルトの価値を運営が大幅に下げたのだから補償してほしい」
というものです。
今回SNSで出ているのは、②・③のニュアンスがかなり強いと思います。
逆にスクエニ側が主張しそうなポイント
これはかなり強い反論になります。
スクエニ側からすると、
「鬼神石はAペチ専用アイテムとして販売していない」
「戦神のベルトには属性ダメージ、種族特効、会心率など様々な用途がある」
「Aペチの上限変更後も、鬼神石で作ったベルトそのものは使用可能」
「オンラインゲームではゲームバランス維持のため仕様変更を行うことがある」
という主張ができます。
実際、公式の商品説明も「戦神のベルトの効果を好きな効果に変更し、最大値を付けられる」というものです。「Aペチのダメージを保証する商品」として販売しているわけではありません。
なので、ここが法的には結構大きな争点になると思います。
ただ、今回かなり気になる点があります
個人的に一番重要だと思うのは、
「課金アイテムそのものの機能を変更した」のではなく、「課金アイテムを使って作ったキャラクター資産の価値を、別のゲームシステム変更によって大幅に下げた」
という構造です。
これは普通の、
「この技が強すぎるから倍率を10%下げます」
とは少し違います。
たとえば極端な例ですが、
「有料で最大値の炎属性+13%ベルトを作れます」
として販売
↓
プレイヤーが5,000円払って4個購入
↓
そのベルトを使うAペチ戦術が強くなる
↓
運営「通常攻撃の上限を9999→1999にします」
となれば、
「じゃあ、Aペチ用として作ったこの有料ベルトに使ったお金は何だったの?」
という問題が出てきます。
この主張自体にはかなり筋があります。
もう一つ、かなり興味深い先例があります
DQXでは、サービス終了に伴って購入済みのジェムについて実際に払戻しを行った例があります。
2026年のブラウザ版終了時には、一定条件を満たす「購入分」のジェムについて、1ジェム=1円として払戻しを実施しています。
もちろんこれは今回とは全く違う事案です。
ただ、
「DQXの有料デジタルコンテンツについて、スクエニが状況によっては購入分を金銭で払い戻すことがある」
という事実はあります。
私なら今回の問題をこう評価します
「返金請求が当然に認められる」とまでは言えない。
でも、
「単なるゲームバランス調整だから、消費者保護上まったく問題にならない」とも言えない。
むしろ、
有料アイテムとして販売 → 消費者が実際に金銭を支払う → そのアイテムを使って得た特定のゲーム内価値を運営が後から大幅に減少させる → 購入者に返金・代替措置なし
という事実関係をきちんと整理して、消費者契約法・景品表示法・民法上の契約関係などの観点から専門家/消費生活センターに判断してもらう価値がある案件だと思います。
~⑦へ続きます。