昨夜、窓辺にて冷たき風が我が身を襲う。皆も知る通り、風邪の来たることを察しむ。吾が身体、微かな熱を帯び、喉には渇きを感じる。窓を閉じ、暖房をつけ、布団を被りても、なお熱を消すことなかれども、風邪の勢いを阻むことなし。ああ、風邪をひいてしまったのだと、我が身を責めずしていられず、ただただ悔やまれる。
朝には目を開けることすらままならず、喉からは呼吸をするたび苦しさを響かせる。職場へと足を運ぶことなくして、今日の修行も受けることなかれども、友人らへの啓示をもたらすことなかれども、ただただ寝床に伏し、熱を帯びる身となりたり。風邪の無慮にして、我が身を屈辱に陥れたことを深く慚愧すべし。
窓辺にて風邪をひいた身は、幾許かの憐れさを孕んで昼夜の区別もなしに夢うつつに過ごし、ただただ癒しみの来るのみを待ちわびたり。風邪とは、病める身を人に察せしむることなり。しかるに、風邪をひいた身こそ、病める身なり。
夜も更け、星の光も我が窓に灯りて、風邪の熙々と今宵も吾を苛む。熟睡も叶わず、ただただ熱と共に耐え忍び、明日に期すべく夜を徹し、癒しみの来るのみを待ちわびたり。
風邪ひいたとき、人は病める身たることを悟れり。その痛み、その苦しみ、その屈辱を背負いて、初めて健やかなる身であることに幸福を知るべし。風邪をひくことにより、身は慚愧と苦痛、そして癒しを知る者とならん。