RPGのロールプレイ、とはすなわち「役割演技」のことである。
RPGと聞いて多くの人がイメージするであろう、レベルを上げ、
魔王を倒し、みたいなのは後付け設定みたいなものだ。
だから冒険者というのは、世界を救う勇者である以上に、
あてがわれた役割を演じる「俳優」としての意味合いが強い。
ドラクエ10では五種族という「亜人」の設定があるが、
これも現実の自分から乖離し、もう一人の自分を演じるための
一助となっている(だから人間、てめーだけはダメだ)。
ドラクエ10を女性キャラではじめたのは、単純に見目麗しい
キャラでプレイしたかったのもあるが、中性的なるものへの
渇望があった。子どもの頃から遊んできたドラクエに、
オンラインゲームなら必ずや至るところで沸いてくるであろう、
男と女のあれこれを持ち込みたくなかった。それが中性的なる
ベクトルへと自分を向かわせた。現実と理想を混ぜ合わせた
結果、それが女性キャラという選択だったわけである。
まー、ここまでは勝手なイノセントごっこであり、
他人からすれば鼻くそのような戯れ言であろうが……。
たまに、直結厨なのか純粋な興味なのか知らないが、
実際の性別を何が何でも聞いてくる人がいて、これには少々
辟易する。そんな時、私ははぐらかして絶対に答えない。
それが「何らかの幻想を抱いている(?)」当人に対しても、
自分自身にとっても、もっとも誠実なやり方と思うからだ。
自らにあてがった設定に、できるだけ破綻はきたしたくないのだ。
ロールをプレイさせてくれよ、演じ切らせてくれよ、と思う。
これはネカマがどうの、とは全く別の次元の話なのである。