僧侶が面白い。サポックスのない昔はれべらげがかったるかったのと、
「自分はヒーラー向きじゃないし……」と、はなから道を断っていたのも
あって、盾にスキルポイントを振るためだけの職だったのだが、
前衛とは全然違うゲーム性に、今さらながら新鮮な気分を味わっている。
ver1.1の頃から僧侶で強ボスを回していれば、もっと自分の血肉に
なったろうに、今言っても詮ないが惜しいことである。
僧侶職を味わい深いものにしているのは、スキル「マホトラのころも」
の存在だろう。今や強ボスは勝って当たり前、むしろ戦闘後に、
どれだけMPを残せるかが僧侶の腕の見せどころとなってくる。
ほぼ満タン状態ならば、単に戦闘に勝利する以上の「してやったり」
感がある。基本前衛でやってきた人間が僧侶をやるのは、
前衛が描く「僧侶はこういう風に動いてほしいのかな」という想像と、
僧侶としての「前衛はこういう風に動いてほしい」という思惑、
この意識のずれを修正していく作業でもある。たとえば前衛は、
ひたすら壁を、ロスアタをやっていればいいと思いがちだが、
僧侶にはマホトラのころもで吸いたいタイミングというのもある。
それを汲み取って、以心伝心のうちに的確に動けるのが「できる前衛」
にもつながってくるのではないだろうか。
それと、これは不思議なことなのだが、自分がツメで相方の耐性や
技術が足りなかったりすると「なんだコイツ地雷か」と毒づいて
しまうのだけど、これが僧侶だと「多少おぼつかなくても自分が
勝たせてみせる」という気持ちになる。僧侶をやるとやさしくなれる。
縁の下の苦労があることも身にしみてわかるし、前衛オンリーで
やってきた人にも一度は僧侶をやってみるのをオススメしたい。