ある日の野良ラズ。僧侶リーダーに誘われて入ったPTで、次に武闘家が加わり、
最後に加わったのも武闘家だった。武×2か……アポロンほしいところだけど、
まあいいやって思った次の瞬間、僧侶の依頼だか何だかわからないが、
その武闘家がレンジャーに変わった。レベルを見て目を疑った。71?
(それ、アポロンどころか聖王も装備できませんやん……)
しかし誰も異を唱える者はなく、私もめんどくさかったのでそのまま向かった。
悪い予感は的中し、勝てずじまいだった。光弱点の手下に絶大な威力をほこる、
アポロンだからこそ意味があるのに……だったら盾持ってブメレンしてくれたほうが
マシである。「オノは強い」という話が伝播していくうちに、上っ面だけなぞって
肝心な部分が抜け落ちてしまった好例だといえようか。
アポロン登場前から趣味的にオノを使っていた私もここまでは予想外だったが、
まあオノは、正確を期すならばアポロンというチート級の武器を手に入れたオノは
躍進をとげたものだ。一年前にタイムスリップしたとして、
「一年後はタイガーをブチ抜いて蒼天魔斬が最大火力になってるんだぜ」
とふれ回っても誰も信じないだろう。何よりアポロンの炎・光両属性という
効果がもたらしたものは大きい。長らく一強の座にあったツメにも、
ここまで代名詞的な存在の武器はなかった。オノといえばアポロンなのだ。
なんとなく、どうぐ使いのれべらげはサポックスとは相容れないものと
思い込んでいたが、アポ戦士二名を連れてのアポックスはスピード感がヤバイ。
強化ガジェット零式との相性もバツグン、あっという間に殲滅してしまうので
どうぐ倍化範囲化も追っつかないぐらいだ。装甲が厚いので余計な気苦労はいらないし、
魔法使いでは対応のむずかしい、メタル系があらわれてもまじん斬りで対処してくれる。
ちょっと他のれべらげはやる気がしない。アポロン登場は、どうぐ使いの
れべらげを楽にする意味や、ラズバーンやピラ5、6層で勝てない人たちへの
救済という意味合いもあるのかもしれない。
しかしいいことばかりでもない。アポロンふりまわしてりゃ勝てる、というのは
戦闘を非常に大味にしてしまった。魔戦で、バフする立場としては楽でいい面も
あるにはあるのだが……以前ほどタゲ下がりだのなんだのとうるさくも言われない。
それは戦術の質の低下につながり、勝利の満足度を大いに下げる。
私は「勝てばおk」という次元ではやりたくない。各々が各々の持ち味を
十分に引き出し、美しい連携をとり、シナジーを描いたその上で勝ちたいのだ。
私のように考える人間と、「勝てばおk」という層がごっちゃ混ぜになってるのが、
今の野良の悲劇といえなくもない。とにかく、アポロンのオノはドラクエ10の
ゲーム性を劇的に塗り替えてしまった。それは「アポロン・ショック」として、
後々まで我々の記憶に深く刻まれることになるだろう。