どうぐ使いが防御型バッファーであるのに対し、魔法戦士は攻撃型バッファーである、
と唱えた人がいる。この分類に沿うならば、状況しだいでアタッカーの役割にも転じたい、
そのための用意だけでもしておきたい、と考える私にとって、バトルチョーカーの理論値、
攻撃力+5うめつくしは、竜玉のHP+5うめつくしより、銀ロザの致死うめつくしより、
何よりも欲しいアクセであった。1の差がものを言うツメ全盛時代ではないので、
しょせんは自己満足の領域かもしれない。しかしリーチをかけてる以上、
ここで手を止めると後々まで、「やり残した」という思いに囚われそうである。
オーディンボウにひかりの杖と、武器を整備してからはひたすらアトラスに、
全精力をそそいできた。有用性うんぬんより、気持ちの問題として。
私の対アトラス戦略(あるいは対リーネ戦略)はいたってシンプルである。
チョーカーの現物が出たら、もしくは破片が10個たまったらすぐさま再合成に行く。
ストックをやたらとためこんでいる人がいるが、何をしたいのか私にはよくわからない。
たとえば30個のチョーカーをためたとする。それを使い切っても攻撃力+5が
つかない場合もあるだろうが、最初の1個でいきなりリーネが、
攻撃力+5をつけてくれる可能性だってないわけではない。こうなると、
残った29個のチョーカーにつぎこんだ金や労力は何の意味もないことになる。
せいぜい、現状のチョーカーからすこしでも劣化したくない、という思惑で、
保険をかけているようなものだろうか? ためこんだストックで、
昔のファミコンみたいに何か裏技めいたことができるというのなら、
それもありだろうが、そういうことがプログラム解析で証明されてるわけでもない以上、
こちらとしてはシンプルな道をひた走る以外にない。
まあ私のようなやり方だと、攻撃力2や3がついてるうちはまだいいが、
時にはHP+1なんかがついたみっともないチョーカーを人目にさらすことになる。
結果どうこうより、とにかく試行回数を積み重ねることが正義、
理論値リーチをかけてる以上は、一時的な劣化、後退もやむなしという考え方である。
いかに私が超現実的な思考の持ち主とはいえ、呪いでもかかったかのように、
攻撃力+5以外の結果ばかりが続くと平静ではおれない。理論値の完成までの、
平均的なアトラス討伐数は360匹だそうだが、300匹を超えたあたりになると、
(このままじゃ500匹、いや千を超えても攻撃5がつかないんじゃ……
何千人、何万人にひとりかのアンラッキーを引いてしまうんじゃないか……)
という不安が覆いかぶさってきてしょうがない。100匹前後でリーチをかけたものの、
そこから攻撃5がつく気配すらなく、金と時間ばかりが空費されていく。
オカルト的にいえば、「自分は悪い流れに立たされているんじゃないか」という恐怖だ。
しかし、そんな私に救いを投げかける、一条の光のような言葉もあった。
(続く)