このたびはじめたツボ練金職人で、私が好んで回す商材はレベル42装備、
ドラゴンクローである。同レベル帯だとふぶきのオノや斬夜の太刀も回すが、
とりわけドラゴンクローには執心を抱いている。
もうかるかと聞かれたら、別にもうかるわけではない。
中級全成功でトントン、ひとつは大成功がつかないと商売にならない。
だが、もうけは度外視で回してる部分もある。
時はVer1.0。ネルゲルとの最終決戦にそなえて私は、
有り金をはたいて武闘家の、当時としては最高装備をそろえた。
それがドラゴンクローとげんぶの道着だった(その頃はレベル50装備)。
げんぶの道着はそこそこのクオリティのものを買えたのだが、
あらゆる武器の最高峰ともいえる、ドラゴンクローは☆3の成功品となると、
文字通り高嶺の花だった。ロクな金策手段を持ち合わせない自分には、
まるで手が届くシロモノではなかった。☆2で妥協し、
攻撃力は200に届くか届かないか、程度。それで冥王をやっとこさ倒した。
それが今では、ドラゴンクローの未練金品と合成素材ぐらい、
サブにポンと買い与えることができる。時は流れたものである。
かつての自分にはとても買えなかった、強いドラゴンクローを作りたい。
他の誰かに受け継いでもらうことで、あの日の無念にも報いることができる。
そんな思い入れが、今日も私にドラゴンクローを回させるのかもしれない。
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手に入る輝石のベルトは見事にクズばかりなのだが、先日やっと、
局所的にせよこれは使えるという一品を得た。「ドラゴン系にダメージ+7%、
開幕7%盾ガード率上昇、開幕16%マホトラのころも」という内訳だ。
真っ先に浮かんだのはキングヒドラだ。僧侶やFB弓魔戦も出せなくはないが、
私はもっぱらツメ武闘家で行く。ことヒドラに関しては、
自分がツメ武をやらない理由がないからである。
竜王のツメの効果と合算すると、単純計算でダメージ+27%、
開幕だけは一喝狙いでひっさつのおうぎと盾を持つので、盾ガード率上昇もうれしい。
無念無想があるからいらないといえばいらないが、マホトラのころもも、
あって悪いものではない。めずらしく、三種の効果がかみあったベルトといえる。
ツメ武闘家として、ヒドラ対策はいっそう充実した。
アタッカーの相方はバトルマスターであることが多い。彼らは天下無双で、
タイガークローをはるかに上回るダメージを叩き出す。だからといって、
バトマスに負けてくやしいとか、そういう風に私は思わない。
そもそも違う武器、違う職を単純火力という指標で比べるのがナンセンスなのだ。
武闘家には武闘家にしかできない仕事がある。だからヒドラで緑玉を出せば、
すぐにお誘いもかかるのだと思う。ツメの一強寡占時代は過ぎ去り、
ヘタすれば弱武器呼ばわりかねない現状。だからといって理不尽な仕打ちとも思わない。
どうしてもツメがそぐわないコンテンツは別の職で行けばいいだけの話だし、
「ああ、今はツメはそういう状況なんだな」と思うだけである。
アストルティア最強を目指すほどの気概は今の私にはないが、
できることを積み重ね、必要とあらばいつでも出せる状態に仕上げておく。
それが最初に選んだ武器との、私なりのつきあい方である。
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「本物」とはなんだろうか。私は、「本物か偽物か」という恣意的な価値基準でいくら
「我こそは本物である」と謳ったところで、それはもっとすごい「本物」があらわれたら、
とたんに偽物、まがい物に成り下がってしまうだけのシロモノと考えている。
「続ける」ということはそこからかけ離れた、もっと地味でまっとうな道なのだと思う。
肉食獣は「自分が本物か」なんて考えない。彼らのアイデンティティーは、
本能に忠実に、獲物を仕留めることだけである。肉食獣が夜な夜な爪を研いで、
明日の狩りにそなえるように、静けさの中で私も、ツメ武闘家としての己を
研ぎすましていたい。「本物」も「偽物」もない。そこにあるのは自分だけだ。