伝説の三悪魔の報酬は忠誠のチョーカー。バトルチョーカーの上位版である。
これを聞いた時は正直、「ほへぇ……」とため息がもれそうになった。
なんせチョーカーをはじめとする各種アクセ合成で疲弊しきってるし、
それはみんなも同じことだろうと思うし、いずれは実装されるにせよ、
もうすこし先にしてほしかったなあ……というのが偽らざる本音だ。
しかしまあ、実装される以上はその日に向けて、着々と準備するより他にない。
パーティー構成は武闘家、魔法戦士、僧侶、賢者が予想されるが、
ヒーラーはもう、これは本職様におまかせするとして、私は武闘家と魔戦、
この両職をスタンバイOKにしておきたい。とくにこのために、
魅了対策を打ったわけではないが、ぐるぐるメガネを理論値にできたことは
大きかった。黄竜のブレスG、躍らされGと合わせて武闘家のほうはまずまず、
準備が整った。ドラゴン系特攻のベルトまであれば役者として十分だろう。
片や魔戦のほうは、現在唯一、魅了G100を達成できるマスカレイドスーツ一式で
のぞむつもりである。レイブンは着回しできるのが旅芸人、スパスタで、
練金効果が魔戦とはかみあわないものが多く、私はスルーを貫いてきた。
コロシアムなどでは魔戦のテンプレ装備みたいになってるが、コロでも強ボスでも、
近ごろの私は大体マスカレイドである。べつにレイブンをこき下ろしたいわけではないが、
三悪魔でマスカレイドが陽の目を見るのでは……と考えると、愛用する者としては
なんともいえない高揚がある。こちらも後はブレスGと、必要とあらば毒ガードまで揃える。
そしてひたすら軍資金をためる。ここまでやるからには、何が何でも取りに行く。
実装初日に、最低でも現物1個は取る。疲れたため息は押し殺しておく。
せっかくの黄竜を武闘家でしか活かせないのはもったいないので、おびえ頭を買い、
(☆2だと安すぎワロチ)、二刀流バトマスでのフォレスドン対策も万全とした。
酒場にもバトマスで預けることがふえると思うので、丼愛好家が送る至高の丼バトを、
ぜひ借りていただきたい。はやぶさとライトニングソードが呪文発動速度の
パル付きなのは、本職魔戦ゆえのご愛敬ということでひとつ。
そんなこんなで丼討伐していたところに、エアフレからフレチャが飛んできた。
「ボスに行きたいと思うのですが、手伝ってくれませんか……?」
手伝い、という言葉にひっかかる。なぜだかこの言葉をつかう人は多い。
一見、丁寧なようだが、どこか自分中心な響きがある。
私はあなたにとってのアシスト役なの? ストーリーを終わらせた者が、
終わらせてない者をアシストするのは、これはもう「手伝い」で問題ないが、
強ボスにオーブを取りにいくのは、立っているのは同じラインではないか。
これが「一緒にボスに行きませんか?」という誘いだったら、
討伐の手を休めて誘いに乗ったかもしれないが、妙にひっかかるものを感じたので
お断りした。こんなこと書くと、気難しい奴と思われるんだろうけど……、
この不確かな世界で我々をつなぎとめてるものは、あまりに言葉足らずな言葉なのだ。
それに違和感を抱きつつも押し殺して、自分を曲げるようなことはしたくない。
三悪魔にしてもそうだ。私は誰の「お手伝い」もするつもりはない。
一緒に取りにいこうぜ。つまりはそういうことである。