カルドセクシの冒険日誌

野良でレアボスコイン持ち寄りを開催したときのことである。
Ａさんがみちびきの香水をつかってくれる。ありがとう。
続いてＢさんもつかう。定番の光景である。重複効果はないと公式で説明が
なされているので、「あーあー」ぐらいにしか思わないのだが、
ケチをつけるほどのことでもないのでここは黙っておく。
楽しかるべきレアボス持ち寄りの空気をわざわざ悪くすることはない。
私にもそれぐらいの分別はある。コインはひとり３個、計１２周である。
トルネコに２回、ミネアは１回という結果だった。４分の１で会えた。

この結果を多いとみるか、こんなもんと取るかは人それぞれだと思うのだけど、
Ｂさんは「やっぱり効果ありますね＾＾」なんて言っている。
冷静派（？）のＣさんは「でも公式で重複効果ないって言ってますよね」と、
私が言いたいことを代わりに言ってくれたのだが、Ｂさんの返事は「体感です」と。

体感ってなんだろうね。そう思い込みたいだけなんじゃないか。
たまたまの結果に、自分にとって都合のいい答えを与えてるにすぎないんじゃないか。
彼の持論のほうが本当ならば、運営は嘘を言ってることになる。
それは企業コンプライアンスにかかわってくる問題だよね。
最低でも何百回、あるいは何千回という試行を重ねてデータをとり、
香水を単独でつかう場合、あるいは誰もつかわない場合とどれだけちがうのか、
明確に示してくれないかぎり、たかだか一個人のあやふやな「体感」に、
企業の名前より重きをおく気にはとうていなれないのだ。
（ないという証拠もない、なんて言い草は典型的な詭弁である）

たしかに、世間に流布する情報に惑わされるより、自分自身の判断が大事な局面というのはある。
しかし一方で、自分勝手に塗り固めた思い込みほどアテにならないものもないのである。
私の例でいうなら竜玉だ。まだ今ほど稼げる手段もなかった頃、
実装されたドラゴンガイアは地獄の苦しみだった。コイン代は２５〜３０万で、
当時は「ハズレ」は破片でなく、聖水３個だった。俗にいうドンペリである。
それで最初の竜玉ゲットまで２５戦もハマったのだからたまらない。
やっとの思いで現物をゲットし合成しても、今度はおしゃれさや守備ばかり……。
出口の見えない暗闇をさまよってるかのようだった。
最初のＨＰ＋５がついたのは討伐数１００匹をゆうに超えた頃だ。

今ふりかえっても竜玉は、本当につらく苦しかった記憶ばかりがよぎる。
しかし、理論値完成までの討伐数を見てみると……意外や意外、たったの１８６匹なのである。
ガイアが今のような雑魚ボスでなく、もっと強かったという事情を差し引いても、
これはむしろツイてる部類ではなかろうか。一番苦労した感さえあるアクセだが、
このように自分の思い込みと客観的なデータとの間には、断層が生じてるものなのだ。
これで苦労話なんぞしようものなら、六、七百匹は倒したフレにお叱りを受けるだろう……。

これこれ、たかだかゲームで、何を無粋なことを言ってるのかねチミは。
どうせ誰もが余らせてるんだし、香水なんてつかいたい人に、つかわせておけばいいじゃん、
素直に「ありがとう！＾＾」って言っときゃいいじゃん。そう思われる向きもあるだろう。
うん、たかがゲームなんだよ。だけどこういうことって一事が万事で、
上滑りな「思い込み」やら「体感」は、人生のあらゆる局面に影響してくると思うのだ。
究極的にいえば「自分さえも信じない」、自分を信じる第一歩はそこからではないだろうか。