オンラインゲーム全盛の時代にあってついつい忘れがちなことだけど、
普通ならまず知り合わないであろう者同士が、ドラクエという縁で知り合って、
ひとときを共有するってのはやっぱりすごいことだし、素敵なことなんですよ。
とくにこのゲームをはじめて間もない、いわゆる「初心者」という人たちは、
星の数ほどもあるゲームの中から(ドラクエの亜流みたいなのだけでも何本もある)、
発売から三年以上も経ったドラクエXを選んだわけで、これはもう、
「会いに来てくれたんだ」といういとおしさすら感じるわけです。
そんな人たちを無下にできるはずもないと思うのだけれど……。
半年間のブランクを隔てて、今は金のロザリオ作りに注力しているが、
旬を過ぎたアクセはPTを組むのも一苦労なことを痛感している。
まあこれに限らず、やたらと先行者だけで固まってしまい、
乗り遅れた者には冷たい風潮がアストルティアにはないだろうか。
レグナードでいえば称号PTである。新アクセが実装されたその日の夜には、
「初見× 熟練者募集!」なんてグレン教会前で叫んでたりする。
半日で熟練者ってどういうことだよ。とどめをさすのは、
いまや全滅する要素のまったくない災厄の王でも初見×を掲げる募集があることだ。
ムービーにつきあうのもイヤか? そこまで排他的になってどうするのだ!?
強ボス全盛の頃は、上級者が初心者を連れていってレクチャーするといった
美風が成立していたと思うのだけど……。私は天魔ではこうべを垂れて教えを乞うたし、
教える側に回ったこともある(初心者を装った上級者に小馬鹿にされたこともある)。
これは運営が初心者へのフォローを疎かにしているというよりは、やはり我々の問題であろう。
まあ新しめのコインボスならお金もかかるし、ある程度致し方ない部分もある。
必要な耐性も揃えてないというのなら門前払いをくらってもしょうがない。
しかし耐性を揃えました、動画で予習しました、練習札で練習も済ませました、
なんて人を断る理由はどこにもないではないか。誰だって最初は初見なのだから、
断れば自分自身をも否定することになるのだ。PTに入れない疎外感が、
そこかしこにうずまいてる寒風吹きすさぶアストルティアにしたいのか、
春の木洩れ日のような、あたたかなアストルティアにしたいのか。
これは我々一人一人の、意識の持ちようにかかっているのだ。
なにより「ドラクエが好き」という一点で結びついたのだから、その縁を大事にしたい。
たまたま乗り遅れただけ、なんてのはたいした問題ではないのだ。
ドラクエは堀井雄二氏が産んだものだし、世に贈り出したのはスクエニだが、
我々もまた、現在進行形でドラクエXを作り上げている一員だということを忘れないでいたい。