ここ二十年くらいのアメリカのヒットチャートは、
ラップ、ヒップホップ、EDMが席巻して古式ゆかしきスタイルの
ロックバンドは見る影もなくなってしまったように思われる。
おそらく今の若者にとってロックとは、私の世代にとっての
演歌のような扱いなのだろう。それがいいとも悪いとも思わない。
時代は流れるし、私は私の好きなロックを聴き続けていくだけだ。
ジミー・イート・ワールドといういかにも人を食ったような
名前のバンドは、その気持ちに応えてくれるフェイバリットのひとつだ。
彼らの代表曲「Sweetness」は日本でもビールのCM曲として
使われたので、聴けばピンとくる人もいるかもしれない。
耳をつんざくような疾走感のあるギターに乗せて、
歌われるのは一言でいえば「疎外感」だ。
甘美さ(深い意味は諸説あり)は僕とは関係ない、
サビのフレーズが狂おしいほどの切なさとなって胸に押し寄せる。
思えばドラクエも時代の流れとともに変わってしまった。
アクションゲーになってしまい、MMO的な論理が幅を利かせるようになった。
腑に落ちないながらもつきあっている自分がいる。
称号戦とか、何かを成すような甘美な出来事のほとんどは、
壁を隔てた他人事になってしまった。しかし私はそれを、
自分にはまったく関係ない他人事、と割り切れるほど器用な性格でもない。
常に疎外感はある。それでも私が救われているのは、
そういう気持ちをすくい上げてくれる音楽を知ってるからだ。
これは(主に経済的な事情で)なかなか実現しないのだが、
もう一人職人のサブキャラを作るとしたらエル子で、
名前は「スイートネス」と決めている。由来を訊かれたら、
上に挙げたような四方山話を披露してウザがられようと思う。